個々ではなく全体と対話する力で組織をまるごと成長させる

社員1人1人が自立しても優れた集団、チームになるとは限りません。
別問題と捉えた方が良いと考えます。
例えば、学校で起きるイジメは個々を指導しても効果はないです。
指導すれば、みんな「ハイ!」って理解はしてくれます。
「イジメは良くない、ウチのクラスからイジメがなくなった方が良い」…それでもやってしまうのが集団なんだよね。
 
今日は、集団を育てる視点で大切な「集団への声がけ」について書きますね。

社長は社員個別の問題に振り回されていけない

個別の社員からの相談に悩む社長はすごく多いと思います。
「社長、Aさんが〜」と人間関係の相談を受けることも多いと思います。
でAさんと話をするとAさんにはAさんなりの言い分があり、社長が板挟みに遭う。
それが続くと、社長が誰か特定の社員と密室で話をするのをみんなが気にするようになります。「もしかしてオレの話をしているのか?」って。
 
これでは社員も集団も育たないと思います。
何かあるとすぐに社長のところに行く…子どもみたいな社員が育ってしまいます。
自分たちで課題解決できる集団には育ちません。
 
集団を育てるには集団と対話することが大切だと考えます。
その面白い例として居酒屋の話があります。
カウンターがメインの小さな居酒屋です。
常連さんが大多数を占めるそうですが、カウンター越しに店主とお客の会話が弾み、とてもいい雰囲気…
だと、主人は思っていた。
ところが新規客は居心地が悪いんだよね。
商売においてコミュニティをつくることは安定的に繁栄する重要要件だけど、コミュニティの結束が強くなると排他的になります。
 
それに気付いた主人がとった対策が素晴らしい。
対話を常連さんとだけではなく「みんなと」したそうです。
具体的には、常連さんに何か聞かれた時は、その人だけでなくみんなに答えたそうです。
そうすると常連さんと新規さんが繋がり、とても雰囲気の良い集団になりますよね?
 
企業の人材育成も同じだと考えます。

集団を育てるには集団と対話することが大切

社長が社員1人1人と深く関わると、その関係だけ集団から切り離されてしまいます。
常に、社長とAさん、社長とBさん、社長とCさん…常にそんな関係です。
それでは社員間の繋がりはできず、「自分たちで」課題を解決できる集団には育ちません。
 
社長は社員1人1人と個別に関わるのではなく「全体と」関わる。
それが課題解決能力の高い「考える集団」「学習する集団」を育てる秘訣だと考えます。
 
例えば、何か問題が起きた時に、繋がりの薄い集団は、多くの社員が「私には関係ない」という態度をとります。
それは「その問題は、当事者と上司が解決するもんでしょ?」と思っているからです。
 
対し、自律型組織では、当事者は仲間に相談、助けを求めます。
あるいは仲間が積極的に「どうした?」と声をかけます。
その時、その場で自分たちで解決しちゃうからすごく早いし、みんなの知恵が生きるから高質なアイデアが出ます。
 
では、どうすればそういう集団に育つのか?と言うと、それは社長・上司が個別の問題に入り込まないことです。
「そういう問題が起きている集団と社長」という構図を創る。
1人1人に入り込むと、その関係だけ集団から切り離されてしまうので、よほどの問題じゃない限り入り込まないことが大切です。
 
なので、全体に対し「こういう問題が起きているけど、みんなどう思う?」と投げかけることです。
そうすると「そんな事をしたら、みんな無関心を決め込んでしまう」と思うかもしれませんが、ほとんどの場合、1人か2人は動きます。
もし、1人も動かなかったら「みんな無関心だけど、どう思う?」と負けずに聞くことです。
 
動く人がいたら、それを「みんなに」伝えることだと考えます。
「早速、助けに入った人がいるね!すごいね!」と、全体に実況中継することです。
僕は社内報の価値ってこれしかないと思っています。
 
すると、その人の姿を見たまわりの社員に伝染します。
一定の割合に伝染したら、後は雪だるま式に加速します。
 
そうなったら集団が丸ごと育つよ!
 
それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい。
 
 

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