大震災から復活した企業か学ぶら「捨てる経営」

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先日、親友、今村暁さんが理事長を務める「一般財団法人日本そうじ協会」のイベント「掃除大賞」に行ってきました。
あ、僕は掃除は苦手で、以前に今村さんが会社に遊びに来た時に、「よくこんなゴミ箱みたいな環境で仕事できるよね」と怒られたことがあります(笑)

掃除協会のHPはここです
http://www.soujikyoukai.jp/

そんな僕ですが、僕なりにイベントで気付いたことがあったので記事にしました。

経営はシンプルが一番、そのためには「捨てること」だという気づきです。

人生も経営もよくなる「外脳理論」とは?

今村さんが提唱する「掃除道」は非常に奥が深く、様々な研究と実証により確立した「道」です。

で、なんで掃除が経営と関係あるの?って思うでしょ?

彼の理論に「外脳理論」があります。
脳の状態と環境はシンクロしているという理論です。
つまりね、ゴチャゴチャした環境は「脳の現れ」ってことで、シンクロしているから環境を整えると脳もスッキリ整うというわけです。

う、書いていて耳が痛い(笑)

経営はシンプルが一番です。
商品を作るなり仕入れるなりして、お客様に見せて「これちょうだい」ってのが一番良い。
でも、そんなに簡単には行かないから色々と手法を考えるわけです。
で、複雑になる。
怖いのは、凝ろうとして自ら複雑にしてしまうことです。

やれ顧客満足だゼロ・エミッションだ従業員満足だリレーションシップだ業態転換だSWOT分析だと…
流行に飛びつく女子高生みたいに色々取り入れたらゴチャゴチャになってしまった。

これ、部屋で言うと色んなオブジェだらけのゴチャゴチャの状態(笑)
コストがかかった割には何がしたいのか分からない状態です。

「捨ててしまえ!不要なものは徹底的に!」
社長が必要なものだと思っている90%以上は不要だと言います。

最後に「これだけは捨てられない」と手の平に置いたものが、全精力を注入して取り組むものになります。

シンプル経営の第一歩は「捨てる」から始まる

例えば、掃除大賞の受賞者にそれを余儀なくされた企業がありました。
いわき市で外壁塗装業を営む「志賀塗装」さんです。

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原発から35キロに位置する同社は、東日本大震災で大打撃を受け、業績が急降下しました。

廃業も考えましたが「自分はこのいわきに残る」と覚悟を決め、改革に着手した。
で、みんなで掃除をした。
掃除のレベルが違います。

まず、倉庫内の掃除に取り組み始めます。
不要な物を捨てた。
さらに、仕事が激減する中で、今までの業態を捨てました。
B to Bの仕事を捨て、 B to Cに集中しました。
さらに、もう何年もお付き合いがないお客様にはDMをストップ。

本当に自社を支えてくれるお客様だけに集中したということです。
そこに時間もエネルギーもコストも集中投下するから、非常に経営効率が良くなる。

僕がここで文章で表現するのは簡単ですが、当人は決死の覚悟だったと思います。
志賀さんいわく「身を削るような思いがした。辛かった」

掃除には様々な取り組みがありますが、その中の1つ「捨てる」を徹底したのです。
そして今では震災前の水準にまで業績が回復したそうです。

経営が非常にシンプルになったのだと思います。
僕は、同社の快進撃はこれからが本番だと考えています。

だって、力を注ぐべきところに集中しているのだから相当に高質な仕事になるし、コストのムダもなくなるから効率も良くなる。
対象顧客を絞っているから、お客様から選ばれるからです。

起死回生を裏打ちしたのが掃除道だった。

僕が掃除道が好きなのは、人間をロボットみたいに扱い効率化を追求するのではなく、自然の理に適ったカタチで取り組んでいるところです。

ものすごく深い哲学を感じます。

さて、今村さんに「ゴミ箱」と揶揄された部屋をどうしようかな?(笑)

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!