人は、指導をされるから成長するのではなく、任せられるから成長する

人は、指導をされるから成長するのではなく、任せられるから成長する、僕はそう考えています。指導を否定するわけじゃありません。

任せられる人に育つために指導がある、そんな位置付けだと考えています。

そして、任せるなら「ひと仕事」任せること。
細分化されたパーツではなく、ある程度のまとまりで任せることです。
なぜなら、それは信頼の証だからで、信頼されているとう実感が人を育てる原動力になるからです。

少年院の元入所者が人生に意義を見出した瞬間

以前に、少年院の元入所者で、今は出所した少年たちのサポートをしている才門辰史さんの話を聞きました。
才門さんによると、犯罪を犯す少年たちの心には「認められたい」という強い欲求があるそうです。
それが変な方向に向かった結果が犯罪というカタチだった。

なるほどな〜と思いました。

才門さんもそうだった。
出所する時は、もう二度と悪いことはしないと誓うそうですが、気が付くと元の仲間の所に入り浸ってしまう。
そんな経験があったそうです。
居場所がないんだよね。

そこから救ってくれたのは、あるフリースクールの校長でした。
「ウチで働かないか?」
荒れた心が理解できる彼だからこそ、できることがある、そう思ってのオファーでした。

才門さんが「任された」と思った瞬間は、学校の鍵を渡された時だったといいます。
信頼を感じたんでしょう。
鍵の開け閉めの作業ではなく、渡されたというのは「ひと仕事」だと思います。
必要とされたことで居場所ができたのだと思います。

ひと仕事任せたほうがクリエイティブな仕事をする

製造業には、ベルトコンベアー方式を採用する企業と、ひと仕事任せる「セル方式」を採る企業があります。
セルの方が品質が高くなるそうです。
そりゃそうだよね、一つの作業しかやらせてくれないよりも、自分の手で製品を完成された方がやり甲斐を感じるもんね。

弊社の新聞配達の現場もセル、ってほど立派じゃありませんが(笑)ひと仕事任せる方式を採っています。
具体的には、新聞を配る前に、順路通り新聞の銘柄を組んでいきます。
1軒目は読売、2軒目は毎日、て具合にね。

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通常は、それ専用のスタッフがいて配る人は別なんですが、それをまとめて配る本人にやってもらうようにしました。
やっぱり作業のクオリティは高い。特に配達ミスは劇的になくなりました。

「ひと仕事」の考えは、量よりも質の時代には向いているのだと思います。

でも、ひと仕事任せるのは勇気が要ります。
工程の支配下に置かないとサボる、と考えている社長には難しいかもしれませんね。

人間に対する信頼がベースになる方法論だと思います。

 

あ、才門さん、面白い提案をしていましたよ。
暴走族についてですが、取り締まりよりも、彼らに「ひと仕事」任せたほうが効果的なんじゃないかと言っていました。
警察から交通安全に関する仕事を依頼するとかね。

暴走がしたいんじゃなく、認められたいんだから。

それでは今日も仕事を愉しみましょう。