社員の役割は、自分の支持者をつくること

おはようございます。
僕は新聞店を経営しているので、チラシは撒き放題です。
紙代と印刷代だけでできるからみんなに羨ましがられるんです。
そう思うでしょ?

でも、最近気付いたことなんですが、チラシは購買の単なる「キッカケ」に過ぎず、もっと大切なことがあると考えています。
それは、自社の支持者が勝手に行っている「布教活動」みたいなものです。
それがあった上で、チラシをキッカケに注文が来る、そういう構造だと考えています。
という事は、社員の仕事も変わってくる。
今日の記事は、社員の仕事は集約すれば支持者を作ることだという話です。

熱心な支持者が販促の下地をつくっている

産経新聞ってありますよね?
昔「ものを言う新聞です」というキャッチコピーで話題になった新聞ですが、発行部数は少ないんです。
弊社でも扱っていますが、5000軒のうち35軒しか取っていません。
で、前から不思議だったのですが、通常の5倍くらい取ってる地区があるんです。
全体の15%が半径100メートル以内に集中しているんです。

それは、Kさんと言う熱心なファンがいて、布教活動をしているんですね。
Kさんは地元でもみんなから信頼されているおじさん。
思想的に偏っていなくてすごくフレンドリーなのです。
その人が普段から「産経って面白いよ」って触れ回っているので、販促チラシを撒いたときに、その地区の反応率が高いのです。

僕もそうですし、恐らくあなたも同じだと思いますが、何か買おうと思った時に、例えば掃除機を買おうと思った時に、売り場に行く前に信頼できる人から良い評判を聞いていたら、それを買いますよね?

あなたの商品、サービスを拡げるのはあなたではなくお客様。
ここで言えることは、もし、Kさんのような方が自社のファンだったら強いということです。

社員の役割は、集約すると自分の支持者をつくること

それを踏まえた上で何をすべきか?ということですが、それは従来の販促の常識を覆すものです。販促を仕掛ける前に、既存客の中で自分を支持してくれる人と人間関係をつくること。
「自社」ではなく「自分」を。

サービスを充実させるってことじゃなく人間関係をつくる。
みんなと関係をつくる、ではなく、「その人」「個人」とつくる。
購買金額が大きい人じゃなく、共感してくれる人と繋がる。
「応援したい」という気持ちになるくらいの付き合いをする。

その人が、こちらが知らない間に色んな人にプラスの情報を拡散してくれます。
売り手が伝えるよりも、何倍も信頼性がありますよ。
そういう人は大勢いる必要はなく、数名いるだけで広がっていきます。

そこで初めてチラシなどの販促の効果が出るのです。

これまでは不特定多数に向けて発信してきた。
これからは特定の「個人」を大切にする。

だから、僕は社員が特定のお客様に偏って関係をつくることを、よしとしています。

会社とではなく、個人と繋がることが大切なので、その人に何かプレゼントを差し上げる時も、会社からではなく個人名でプレゼントをしています。

社員の役割は、集約すると自分の支持者を増やすことと言ってもいい。
事務員も新聞配達員も、営業社員も集金人もレジも、工夫次第でそれができる。

そのためには従来の管理型のマネジメントでは難しい。
個性の発揮が必要だから、自ら決め、考え、判断し、行動することが大切です。

誰がやってもできるように、仕事を標準化するのではなく、その社員しかできない仕事を増やしていくことだと考えます。

改めて、商売は人と人との繋がりで成り立つ営みなのだと思いました。

それでは今日もがんばりましょう。