施設がボロいのにホスピタリティが高いホテルの人材育成

お盆になると思い出すことがあります。
それは、もう15年も前に家族旅行で泊まった宿です。
ネットで調べ電話で予約したその宿ですが、行ってみてビックリ(がっかり)、すごくボロい宿でした。
築数十年は経っているでしょう。

「ミスったな〜」と思いながらチェックイン。
でも、とても素敵な笑顔のスタッフが迎えてくれました。
施設は決してピカピカではなかったけど、とにかくスタッフの対応が素晴らしかった。
とても心が温まり、家族にとって忘れられない思い出になりました。

僕はその時に思いました。
「何で、あの宿のスタッフさんは、あんなにも輝いているのだろうか?」と。

支配人から「ウチはマンパワーで勝負するしかないんだ!」と言われているのでしょうか?
違うと思います。
そんな強制的なマネジメントではなく、もっと深いものがあるのだと感じました。

先日、同じような宿に行きました。
泊まったわけではありません。
親友たちと行く、恒例の合宿で見学に行ったのです。

北海道、ニセコにあるそのホテルは、大きな母体が運営するホテルなのですが、なんと、廃業したオンボロホテルを買い取り経営しています。

楽天トラベルアワードを6年連続で受賞しています。

 

親友がマネージャーの友人ということで、買い取った時からの経緯を詳しく聞くことができました。

印象的だったのは、これまでの経緯を話している時よりも、未来の話をしている時のマネージャーが楽しそうだったことです。
しかも、その話は売上などの数値の話じゃない。
「お客様にどう喜んでいただくか」…そのアイデアの話ばかりでした。

買い取った当初は十分な収益は出ません。
予算が限られ、できる事が限られる中で、お客様に喜ばれることに集中してきたそうです。
試行錯誤をする中で、1人旅のお客様に選ばれていることが分かり、そこに資源、サービスを集中させました。

それが功を奏し、段々と儲かるようになった。
その収益をもとに、さらに喜ばれる宿になるべく、今年からお部屋の改装に取り掛かるそうです。
そのアイデアが、かなりぶっ飛んでいて楽しい。部屋に◯◯◯◯があるとか…
ここには書けませんが…(笑)
スタッフみんなでホテルの枠にとらわれないアイデアを出したそうです。

僕は戦略よりもシナリオという言葉が好きです。
お客様が、どうやって自社を知り、どうコンタクトを取り、リピートしていくか…
こちらが描いたシナリオの上をお客様が順調に進むと商売は上手くいきます。

しかし、お客様が動くためには動力が必要です。
それは心が動いた時に立ち上がる。
どんなに良くできた戦略も、お客様の心が動かなかったらハリボテみたいなものだと思います。

15年前に泊まった宿も、このホテルと同じように、きっとお客様に喜ばれることを組織ぐるみで愉しんでいるのだと思います。
だからスタッフが輝いていたのだと思うし、それが家族の印象に残り、また行きたいと思わせるのだと思います。

僕も、心に残る人になりたい、お盆の入り口でそんなことを思ったのでした。

それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!

 

 

The following two tabs change content below.
米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。株式会社Tao and Knowledge代表 株式会社たくらみ屋代表 一般社団法人夢新聞協会理事長。
指示・命令をしなくても自分たちで課題を発見し行動できる組織「指示ゼロ経営」を提唱する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。
著書に「リーダーが『何もしない』とうまくいく」がある。

記事を気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket