研修後に部下の行動が変わるために、上司がすべき2つのこと

せっかく社員を研修に派遣したのに、その後、行動が変わらない…そんな事はないでしょうか?
セミナーを主催する側としても、とても辛いことです。
お金が余って税金対策で研修に派遣しているならともかくですが、そんな会社はないと思います。
苦労して稼いだお金を、身を切るような思いで、期待を込めて派遣したのだから、行動して欲しいですよね?

今日の記事では、かけた研修費が報われる…研修後に行動を起こすために何をすれば良いかについて考えたと思います。

研修は、自分で意義を持った時に効果が上がる

たくらみ屋の研修では、最初に自己紹介をします。
しかもユニークな方法でやっています。
1人づつ自己紹介するのではなく、「一斉自己紹介」というやり方を取っています。
何じゃそりゃ?って感じですよね。

制限時間内で、1対1の自己紹介をできるだけ多くの方と行うのです。
いつもBGMは、ドリフの「盆回り」(笑)
ステージが変わる時にかかる、あの賑やかな曲です。

自己紹介では、以下の3つを伝えていただきます。
1、名前(ニックネーム)
2、どんな仕事をしているか?
3、今日、なぜ参加したか?

3に関しては、「上司から言われたから」はNGです。
これは、自分が参加した意図を、自分で持って欲しいからです。

まあ、意図を持たず、流れに身を委ねるってのも素敵ですがね。偶然の出会いから未来が拓けるというのが指示ゼロ経営的な発想なので。
それはそれとして、偶発性は研修終了後にも起きるので、セミナーではとりあえず意図を確認していただいています。

この儀式とも言うべき一斉自己紹介は研修効果に大きな影響を及ぼします。
講師が必ずやるべき大事だと認識しています。

しかし、この儀式よりも研修後の行動に影響を与えるものがあります。
それは「研修前の直属の上司(もしくは社長」と「研修後の直属の上司(もしくは社長)」の関わりです。

Mary Broad,とJohn W. Newstromの共著「Transfer Of Training」によると、研修後の行動の変容に最も影響を及ぼすのは「研修前の上司」で、次に「研修前の講師」そして「研修後の上司」だという結論に達しています。

では、前後に上司、社長は何をすれば良いのでしょうか?

研修前後の上司の関わりが最も行動変容に影響する

研修前後に上司がやるべきことは幾つかあります。
まずは最上の策から。

研修は自分で決め申し込む

一番は、上司が派遣しないことです。
身も蓋もない、と思うかもしれませんが、これは上司に言われていくのではなく、自らの意思で申し込むことを意味します。
こう言うと、「こちらから勧めないと自分からは参加しない」と言う方がほとんどです。
でも、僕は、ここ10年ほど社員に研修を勧めたことはありません。

でも、社員は自ら探して行きます。
どうして、そんなに主体的なのかと言えば、「解決したい課題」を持っているからです。
もっと言えば、「実現したい未来」があるからです。
実現したい事があり、課題があれば、それを解決する方法を学びたいと望むのは当然ですよね。

実現したい未来を共有することが、学びを行動に移す最上の策だと考えます。

研修前の上司の関わり

次に効果的なのは、研修前に上司が、期待を込めたメッセージを送ることです。
上司に勧められて参加する場合、これが効きます。
ただし「期待して期待せず」のスタンスが必要だと思います。
期待が大きすぎるとギャップに不満を持つでしょ?

また上から目線のメッセージではなく、1人の人間として応援するスタンスが良いと思います。

研修後の上司の関わり

僕のセミナーでは「研修で学んだ事をどう現場に活かすか?」をアウトプットしてもらっています。
それは、まずやることを明確にすることで行動が起きる確率が上がるからですが、もう1つ意図があります。
それは、そのアウトプットを上司に自慢してほしいからです。
「こんなことを学んだよ」と。
上司にはそれを見て、「おお!すごいね!」と言って欲しいのです。

報告とはちょっとニュアンスが違います。
人って、新しいことを学ぶと他人に教えたくなりますよね?
言ってみれば自慢なのですが、それが学びを深め行動に影響するからです。

これらは人材育成が上手なリーダーが自然とやっていることだと思います。

せっかく大切なお金を使って派遣する研修です。
講師もがんばりますが、一番は、参加する本人ががんばることです。
そうなるために研修前後で上司にできることがあると考えています。

それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!

 


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