売り手と買い手、労使という構図を超えた関係性で商売をする

互いの望みに不一致があると経営は難しくなる

売り手は高く売りたい、お客様は安く買いたい…
社長は従業員を安く使いたい、社員は高い賃金が欲しい…

こうした「望みの不一致」が経営を難しくしていると思います。
互いのベクトルが違う方向を指していたら力学的に不合理ですよね。

もし、同じ方向を向いていたら…つまり「同じことを望む」としたら、非常に合理だと思います。
社員はアメとムチでコントロールしなくても、自ら進んで動いてくれます。
お客様は囲い込まなくても、自ら進んで顧客でいてくれますし、友だちを紹介してくれるかもしれません。

同じことを目指すと、その関係性は「仲間、同志」となります。
売り手と買い手、労使という構造を超えた関係性になります。

どうすればそういう関係性になるのか?
モノやサービスを提供する経営から、互いの望みを共に実現する経営に変えることだと考えています。

僕が、これを実感したのは18年前です。
当時、地域から愛される新聞店を目指していた弊社は古新聞の回収サービスを検討していました。

回収作業は非常に大変です。慎重に検討しなければ、という事で既に古紙回収をやっている新聞店に見学に行き、実際に作業を体験しました。
真夏の暑い日でした。
その店の社員さんに同行したのですが、その社員さんが終始、不機嫌だった。

「何か悪いことを言ったかな?」と思ったのですが、同行するうちに理由が分かりました。
なんと、お客様が出す古新聞に生ゴミが入っていたのです。
マナーが悪いお客様ですよね?

その方は同行中、ずっとお客様の悪口を言っていました。
無理もない、そう思いました。

その社員さんは僕に教えてくれました。

「古紙回収サービスを始めた当初はすごく感謝された。でも、やがて当たり前になり、『お宅から新聞を取っているのだから当然でしょ?』という態度に変わっていった」

サービスをすればするほど、社員がお客様を嫌いになっていく…商売の根幹に関わる一大事だと思ったのです。

望みが統合されると、境界線がなくなり同志になる

その状況を持ち帰り、社内で検討を重ねました。
その結果、「古紙回収はサービスではない」という斬新な発想が生まれました。
どういうことか?

こんな構造にしたのです。
「弊社で集めた古紙をリサイクルし、その収益金を地域に還元する」
お客様には、この趣旨に賛同してくれるようにお願いをして「同志」を集めたのです。
同士である証として、「認定書」なるものまで発行しました。

収益金の残高は毎月発行するニューズレターで報告しました。

弊社の望みと、お客様の望みが統合されたのです。
同じことを望んでいるから、お客様は非常に協力的でした。
例えば、回収作業を見かけると、「道端にクルマを停めると危ないから、ウチの駐車場を使いなよ」と申し出てくれたり、畑で採れた野菜を回収スタッフにくれる方もいました。

「認識1つでこんなにもお客様との関係性が変わるんだな」そ痛感したのです。

現在、弊社は行政とタイアップして地域づくりを行っています。
これも、コチラからサービスを提供するのではなく、地域の方と一緒に地域づくりをするというスタイルで運営しています。

すると面白いことが起こります。
僕が会社に行くと僕が知らない人が働いているのです(笑)
それが日に日に増えていく。

僕が「どちら様ですか?」と聞くと「そういうあなたは?」と返される(笑)
彼ら彼女らは地域の方、弊社のお客様なのです。

社長、社員、お客様…ここに行政や地域が加わり、1つのことを目指した時に、関係の境界線がなくなるのだと思ったのです。

大きな円を描き包み込む、そんな商売はとても喜びに満ちると思うのです。

それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!

 


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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。株式会社Tao and Knowledge代表 株式会社たくらみ屋代表 一般社団法人夢新聞協会理事長。
指示・命令をしなくても自分たちで課題を発見し行動できる組織「指示ゼロ経営」を提唱する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。
著書に「リーダーが『何もしない』とうまくいく」がある。

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