社員の不満が勝手に解決されていく、魔法のような提案書

おはようございます。

今日は和歌山へ出張で、すでに滋賀県まで来ています。
まだ遠い〜
午後一番に夢新聞教室、夜は指示ゼロ経営セミナーです。

さて、今日は、社員に自分で考え行動して欲しいと思っている、でも、任せるのが怖いという方に、社員が好き勝手にならずに自発性を発揮してもらうためのトレーニングについて書きます。

人は自分で決めた分だけ主体的になる

社内で一番自発的なのは?と問われれば、ほとんどの人が社長と答えます。
でも、その理由について聞かれると、「意識が高いから」といった漠然とした答えしか返ってきません。
「意識が高い」というのは便利なようで不便な言葉ですよね?
抽象度が高すぎて、どういう状態を指すのかがが分かりません。
社員に「意識を高く持て」と言っても、間違いなく伝わりません。
肩に余分な力が入るだけです(笑)

僕は、意識が高い状態を細かく要素分解した結果、その1つに「自分事」という要件があることが分かりました。
そして、自分事はどれだけ「自分で考え決めたか」で形成される意識であることも分かりました。
自分で決められる「意思決定」です。

企業には様々な意思決定があります。
大きく分けると、「何を」 「誰が」 「どのように(方法)」 「誰と」 「いつ(までに)」 「どんな出来栄えで」 「いくらで」の7つがあります。
社長であれば、全部を自分で決めることができますよね?

試しに、ヤル気がない社員を分析してみてください。
きっと、7つの意思決定のうち、自分で決められる項目がほとんどないと思います。

という事は、自発性を育てるためにはこれら7つのうち、可能な範囲で意思決定を自分でしてもらえばいいということになります。

そうすると、「いや、それは分かるんだけど、任せられないのよ…心配で…」と思いますよね?
正直その通りだと思います。
任せたら好き勝手されたらたまったもんじゃないですからね(笑)

怖いのです。
この感情は部下を持つ人にしか分からず、部下からすれば単純に「うちの上司は任せることができない人なんだよね〜」などあっさりと言われてしまいます。

でも、任せない限り自発性が育たないのも事実です。
そこで、好き勝手にならずに自発性が育つトレーニングが必要になります。

プラス面とマイナス面を勘案した提案が人を育てる

自由と好き勝手は大きく違います。
なぜ社員が好き勝手になってしまうのかといえば、自分中心で物事を考えるからです。
考えの範囲が自分の半径2メートルくらいだから好き勝手になってしまうのです。

社長であれば、何か意思決定をする時に、その影響を広い視点で考えますよね?
例えば、休みを多くしたいと考えたら、その影響…売上減の心配や、顧客へのフォロー体制の欠如など、マイナスの影響も考えます。
それらを広く、深く考慮した上で解を出しています。

それを社員にも考えてもらう事で、任すに足る人材が育ちます。
社員はいつも、不便や不満、もっとこうしたいという思いを持って仕事をしています。
でも、その解決策を自分で決めることができずに、誰かに頼るが叶えられないから不満が鬱積する。
だったらそれを自分で考えてもらえばいいという発想です。

具体的には、「プラス面」と「マイナス面」を勘案した提案書を作ってもらうことです。
例えば、「好きな日に休みを取りたい」と思っているとします。
それを上司に言って叶えてもらうのではなく、自分で考えてもらうのです、プラス面とマイナス面を考慮して。

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プラス面として「家族と一緒にいる時間が増える。休日が充実する事で仕事に集中できる」というメリットがあるとします。でも、マイナス面もあります。「自分がいないとお客様からの問い合わせに対応できない。みんなの休みが集中する事も」といった具合に。

プラスマイナス両面を考慮した上で、プラス面が活きてマイナス面が解消される解を考えてもらいます。

「毎月、ミーティンで休日のすり合わせをして、重ならないようにする。休日の前日に引き継ぎを行う。休日中でも携帯電話はつながるようにする」といったアイデアが出るかもしれません。

もちろん、上司でなければ解決できない課題もありますが、現場レベルの課題はこの方法で相当に解決されます。

会社が勝手に良くなる上に、社員の自発性が育つという、魔法のような方法です。

社長からすれば安心して任せられる、そして任せられるから「自分事」になり、さらなる自発性が育つという好循環が生まれるのです。

是非、おすすめしますよ。

さて、もうちょっとクルマを走らせて、和歌山に入ります!

素敵な1日をお過ごしください。