全員経営で成功する会社、失敗する会社、その違いは?

全員経営という言葉がありますよね。
誰かにぶら下がる社員がおらず、全員が経営者意識を持ち、主体的に経営に参加することはとても大切なことだと思います。
しかし全員経営という言葉だけがひとり歩きして、本質を深く考えないと危険だと考えています。
集団は条件次第で賢くもなりバカにもなります。
賢い集団による全員経営を実現させるためには何が必要か?…そんなことを考えてみたいと思います。

全員経営の失敗は「合議の弊害」で起きる

全員経営で失敗する原因の1つに「合議の弊害」があります。
要するに、みんなが納得する着地点を模索したら、極めてつまらないものになった、という現象です。
あるある、ですよね?
みんなが納得する=最大公約数的なものは毒にもクスリにもならない。
どうして合議の弊害が起きるかと言うと、最初から納得点を探るからだと考えます。

では、どうすれば尖ったアイデアが出るのか?
それは対立と混乱を避けないことだと考えています。
賢い集団が秀逸な案を出す場合、多くが一時的に対立と混乱の状態を経験します。
喧々諤々の議論を重ねた結果、少数派のアイデアを多数派が納得するという構図です。

こうなるためには、まずは自由にものが言える雰囲気が欠かせません。
そして権威的な存在への依存がないこと。
「あの人が言うんだから、そうなんだ」という依存はダメです。
なでしこジャパンの活躍の背景には、絶対的なご意見番がいなかったという分析がありますが、当たっていると思います。
澤穂希選手に対してでも、自由に反論できる雰囲気があったと言います。

堂々と反論できる自由闊達な雰囲気が良い

また、安易な多数決はご法度です。安全を重視する多数派のアイデアが採用されるからです。
同時に、合議には平凡のリスクがあるという共通認識も必要です。

ちなみに弊社の会議は結構、怖いです。
意見の対立は当たり前で、時には泣きながら叫ぶヤツもいますし。

秀逸なたくらみには、衝突と混乱がつきものだということを忘れてはいけないと思います。

全員経営は全員が積極的になる経営ではない

全員経営の実態を正しく認識することも非常に大切だと思います。
よく全員経営を目指す社長が「社内の温度差」を気にすることがあります。
「Aさんは積極的なんだが、Bさんはどうも消極的で困る」といった悩みです。

これは報われない悩みだと思います。
沖縄は暖かいのに北海道は寒い、と言っているようなものです。温度差や気圧差があるから風が発生するわけです。
組織は温度差を内包しているもの…そんな認識が必要です。
例えば、僕のブログの読者には積極的な方が多いと思います。
しかし、何かの集まりで、あなたよりイケイケな人がいると、いつもより大人しくなることがあると思います。

人の集団は「全体で」エネルギーバランスを取る性質があります。
全員が積極的な集団なんて存在しないのです。
よく組織は「2:6:2」と言います。
下の2割をクビにしても残ったメンバーの中から、また下の2割が生まれると言います。
ちなみに上の2割が独立すると、残った中から上の2割が誕生するので組織はレベルアップする方向に進むと言われています。
温度差はあって健全なのです。

さらに言えば、何をもって温度の高低を判断しているかも問題だと思います。
積極性であれば、それは効果の出ない悩みだし、能力や生産性であっても報われないと考えます。
個人経営者の集まりのような組織体であれば別ですが、組織はチームのワークで仕事を進めます。
花形もいれば縁の下の力持ちもいて協働をしています。
もし能力が低い者がいても、チームワークの良い集団は、それを自律的にカバーする能力を持っています。
事実上、弱点をなくしてしまう。

弱点(温度差)があることを気にしている時点で協働力がないことを認めているようなものだと思います。

全員経営は、何となく、ではできない高度な経営だと思うのです。
本質を知らないと危険な考え方だとさえ思います。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!

 


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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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