丸亀製麺から学ぶ、失敗を糧に成長できる人とチームの育て方

「自分はこんなにも多くの失敗をして成長してきたんだ」…そんなことを実感する出来事がありました。
先日、高校生の前で講演をしたのです。キャリア教育で依頼されたのですが、学校から「米澤さんの経験を踏まえ、話して欲しい」と言われ、過去を整理したら失敗が満載だったのです。

「人は失敗を重ね成長する」

これ、リーダーが心得なきゃいけないことだと思います。
でも、失敗しても全くへっちゃらで成長しない人もいますよね…
スタッフが、チームが失敗を経験しながら成長するためには何が必要なのか?…そんなことを考えたいと思います。

失敗から学ぶためには、失敗を許容する風土が求められる

失敗から学び成長するためには、本人が「やる」と決める、意思決定が欠かせません。
失敗しても、へっちゃらでいる原因は「やらされ」だからだと思います。
自分で決めたこと、本当に成し遂げたいことであれば失敗は悔しいし、だから成長します。

でも、ここにも大きな課題があります。

「やる、と名乗り出ない」
これ、多くの経営者が抱える悩みだと思います。「ウチの社員には挑戦意欲がない」と。
でも、指示ゼロ経営では、人はそもそも積極的で自律的という考えを持っています。
そもそも、そういう存在なのに名乗り出ないのには理由があると考えるのです。

それは行動科学で説明がつきます。
「動機づけ」と「ハードル」の関係です。
動機づけとは「やりたい」と思うこと。同時に不安、抵抗などがない時に人は挑戦します。

やりたい、と思う時って輝かしい未来が予感できた時だと思います。
想像しただけでワクワクする未来です。
だから魅力的なビジョンが必要になるわけです。

ハードルを下げるためには、失敗を許さない文化を改善することです。
失敗を咎められるなら名乗り出ない方が得と判断するのは当然のことだと思います。
僕だったらそうしますもん。

で、名乗り出ないから「やれ」と命令をする、だから失敗を成長の糧にできない…そんな悪循環に陥ります。

心理的安全性が確保されていて、自ら挑戦を名乗り出て、その結果(失敗)を検証して成長していく。
そんな好循環を生み出したいものです。

失敗に寛容な会社と言えば、丸亀製麺を運営する「株式会社トリドール」があります。
採用の最終面接では、社長が熱く会社のビジョンや想いを伝え、その上で「トリドールに失敗しに来なさい」というそうなのです。

まさに動機づけとハードルの撤去を行っているのだと思いました。

挑戦は1人ではなくチームでやってもらう

失敗を成長の糧にするには、挑戦は1人はなくチームで行うことも大切だと考えています。
1人では不安で一歩を踏み出せなくても、仲間となら勇気が出ます。
途中で諦めそうになった時にも励まし合うことができます。
また、1人では思いつかないようなアイデアが、集団の知恵で出ることも多々あります。

これまでのマネジメントはリーダーが計画を立て、仕事を部下1人1人に割り当てる形でやってきました。
そこには責任を明確にする意図があります。
部下は何か問題、悩みを抱えると上司に相談します。上司は個々の相談に乗り解決へ導きます。

そのスタイルが悪いわけじゃいなけど、今の時代には向いていないと思うのです。
その理由は、上司の限界が部下の限界になるからです。
また、部下は自分の仕事に集中できますが、同時に周りが観えなくなります。仕事は連携で成り立っていますので、1人1人が全体を観て、全体最適を目指すことが求められる。

つまり挑戦はチーム全体で取り組む、リーダーはチームに課題を与えることが大切になるわけです。
こうすると、チームは目標達成に向けて自分たちで最適な組織を創ります。自己組織化というやつです。

すると、ほとんどの場合、自然とチーム内での学び合いや助け合いが起こります。
上司があれこれとお膳立てしなくても、自ら学習する組織になるわけです。
意図せずとも三人寄れば文殊の知恵になる。

チームが失敗から成長するためには、何が成功で何が失敗かが明確になっていないといけません。
だから、挑戦の「出来栄え」をハッキリさせることが重要です。
リーダーも、これがハッキリしていないと任せられませんしね。

僕の経験を振り返ると、子どものころから失敗を許してくれる大人たちがいました。
親も部活の顧問も、僕に「ああしろ、こうしろ」と言いませんでした。

すごく良い環境を与えてくれたと感謝しています。

挑戦は自ら名乗り出る。
そのために、心理的安全性を確保する。
チームで取り組む。

そんな要件で挑戦的なチームになると信じています。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

誰も縛らない、誰にも縛られないあなたが大好きです!

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