社長の「人に関する悩み」は、採用活動の改善で解決する

先日、東京商工リサーチが、人手不足での倒産が過去最多という調査結果を発表しました。
人手が足りなくて仕事が回らないのかと思いきや、根本原因は、社員を引き止めるために賃上げをし収支が悪化したケースが目立つということです。

僕は自分の経験上、これ(引き止め賃上げ)をすると悪循環に陥るという確信を持っています。対処療法ではなく根本治療が必要だと。
採用に関する根本を変える、そのくらいの覚悟が要ると思うのです。

今日は、その根本要因を考えたいと思います。

求人広告は「書いた通りの人が来る」という法則がある

引き止めの賃上げは「値引き」に似ていると思います。
お客さんが来ないから安易に値引きをする、すると収益は悪化しますが、本当の怖さは、安さをウリにすると「そういうお客さん」ばかりが寄ってくることです。

以前に、スーパーマーケットの社長が「世の中、本当にデフレだよ。安くしないと集客ができない」と言っていましたが、実はそういうお客さんを引き寄せていたことが分かりました。
そのスーパーのチラシには「安い!どこよりも安い!」って字が大きく踊っているんだもん。

集客でも求人でも、誰かに何かを伝えるメッセージには「書いた通りの人が来る」という法則があるようなのです。

さて、話を採用に戻します。
集客の値引きは、採用では安易な賃上げに当たります。
あ、大前提は「賃金は高い方が良い」です。素晴らしい業績に伴い、社員さんの賃金が高いことは最高ですし、それを目指すわけです。
マズイのは、困って賃上げをすることです。

僕はこれで痛い思いをした経験があります。今から20年も前の話です。
新聞店は不人気業種です。しかし毎日必ず購読者に新聞を配らなければなりません。
人手が足りないからと言って、休店したり規模を縮小することが許されないのです。

ついに、業績は上がらないのに人件費(労働分配率)が上がってしまいました。
新規採用をする際も、高給を謳い文句にしていました。

すると…
引き寄せてしまうのです。

自社が目指すビジョンに共感してくれる人を集めるべし

求人には「書いたとおりの人」が来ます。
当時の弊社は人手不足で困っていたので、求人広告には「楽で給料が高い」というニュアンスのことを書きました。
すると、引き寄せてしまいました。「楽して金を稼ぎたい人」を。
当然の結果だと思います。
さて、そんな人を採用すると、どんなことが起こるでしょうか?

まず、すぐにお金にならない仕事はしたがりません。
でも、今はすぐに金になる仕事は少ないです。モノを並べておけば飛ぶように売れる時代ではないから。
お客様と関係性を築くことが欠かせませんし、販売の仕組みにも工夫が要ります。
何度もやっては直す、とても根気の要る仕事ばかりです。
そういう仕事をやりたがらないのです。

そこで、僕は「金で釣る」という手段に出ました。
例えば、お客様にレターを出せば◯◯円と、それに対するインセンティブを用意しました。
しかし、レターは出せば良いわけではありませんよね。そこに心がこもっていないと何の意味もありません。本人の主体性が影響します。

そこで教育が必要だと考えました。
しかし、そもそも金にならない仕事を嫌う人です。真剣に受講してくれるはずがありません。
何を学ぶのか?には興味がなく、その時間は労働時間に当たるのか?なんて事ばかりを気にしていました。

採用が間違っていたのです。
ボタンの掛け違いは、一番最初に起こります。採用が間違うと、その先はズレたまま進みます。

それに気付き、採用を変えました。労働条件よりも「自社が何を目指すのか?」「仕事を通じ、どんな人生を送りたいと望んでいるのか?」…思いを伝えるようにしました。

求人は書いたとおりの人が来る…
そこで集ったスタッフたちが、今の自社を創ってくれましたし、これからの未来を創っていこうとしてくれています。

東京商工リサーチの調査を見て、自分の過去を思い出し、今日の記事にしました。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

 

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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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