組織は形状記憶合金みたいなもの、だから組織改革は「記憶の標準」を変えることが大切

組織は「形状記憶合金」みたいだと思います。
ある形(風土)が定着するとそれを維持しようとします。だから組織改革は簡単にはいかないのだと思う。
無理して曲げても、すぐに戻ってしまう…そんなことで悩む社長は多いんじゃないかな?
金属と違って、人間は無理やり変えられた時には負の感情を持ちます。長期的に見ると、それが原因になって風土が荒れてしまいます。

組織の風土改革は、最初から長期戦を覚悟した方が良いと思うのです。
戦ではないけどね。

長期視点に立つと、考え方もやり方も変わる…今日はそんなことを考えたいと思います。

最初はイノベーターが動き出し、それが全体に伝播していく

風土や習慣はすぐには変わりません。徐々に徐々に、そして一気に変わっていきます。
例えば、スマホのムーブメントはi phoneから始まりました。
初めて日本に上陸したのが2008年だったと思う。当時はアップル信者が飛びつきました。
彼らはイノベーターで、購買動機は「イノベーティブなことに参画する」といった感性的なものです。

多くの人は「海のものか山のものか?」と怪訝そうにイノベーターの様子を見ていたと思います。僕がi phoneを買ったのは2009年でした。イノベーターを見て「カッコいい」と思い、わざわざdocomoからSoftbankに乗り換えました。
電波は悪かったのですが、そういう問題じゃなかった。

歴代i phoneの箱はすべて保管してあります

そして最も広い通話エリアを持つdocomoが出たら一気に普及しました。
多数派は、安心・安全が確認されてから自分も乗るのです。
ムーブメントの後半になると、「みんなが持っているなら自分も持つ」という動機で買う人が増えます。

組織の風土変革もまったく同じだと考えます。
最初は、社長の思いをキャッチしたイノベーターが動き出し、それが伝播していく。
徐々に徐々に徐々に、そして一気に拡がる。

そのメカニズムを知ることがとても大切だと思うのです。
なぜなら知っていると、全体を俯瞰できるからです。特に初期段階では賛同者が少ないわけですが、そこで「コイツらまったく分かっていない」と(要らぬ)絶望をしてしまう。
これからなのにね。

ムーブメントが拡がる段階に応じ打つ手を変えていく

メカニズムを知り、拡がりの段階に応じて、打つ手を変えていくことが大切だと考えます。
まずはイノベーターが動かないと何も始まりません。

イノベーターは社長の想いをすばやく察知する

まずは全体に対し「私はこうしたい…なぜなら」と伝えることだと思う。ここで大切なのは「したい」と自分の正直な気持ちを伝えることです。
よく「せねばならない」と言う人がいますが、誰がそう思っているか分からない言い方ですよね。
本当に思っている正直な気持ちがイノベーターに心に火を付けます。
例えば、業績不振に陥っているある企業の社長は、「このままで終わったら悔しい」と伝えました。「みんなは悔しくないのか?」と。
僕もその想いを聞いて胸が熱くなりました。正直な想いだから。
イノベーターは損得勘定もさることながら、想いや情熱、挑戦的でワクワクすることに意義を感じる人種です。

楽しむ、そして来る者拒まずの姿勢を示し誘う

リーダーはイノベーターが何か実践してくれたら心から感謝することが大切です。
と言うか、無理しなくても必ず感謝の気持ちが湧き上がってくると思います。
イノベーターだって周りから奇異な目で見られたら嫌だと思っていると思います。感謝のひとことが救いになるはずです。逆にイノベーターを1人ぼっちにしたらムーブメントの火は消えてしまうと思います。

同時に、イノベーターは仲間が欲しいと感じていると思います。逆にイノベーターの姿をみてグッと来ている人もいるはずです。
i phoneを買った時の僕のような存在です。

実は、イノベーターが誘えば参画する人は結構います。仲間を増やしていくことです。同時に、参画しない人を責めないことです。責めたら最後、カルト的、排他的な集団になってしまうから。

成功事例を全体に共有し、来たものを大歓迎する

大多数の人は、安心・安全が確認されてから参画します。だから、成果を出して、それを全体に報せることが大切です。
僕は、社内報はそのために活用するのが良いと思っています。通達にだけ使っていたらもったいない。
仲間の活躍が見えるようにすることです。
社内報に載る仲間の数が増えたら、ムーブメントは成功に近づきます。
「みんながやっているなら自分もやる」という人が一気に動きますからね。

それでも共感しない、参加しない人がいることを許す

いまだにガラケーを使っている人がいるように、ムーブメントに参画しない人も一定割合(15%〜20%ほど)います。
いて健全な組織だと思います。
だから決して責めないことです。彼らの存在はとても大切だと思います。
全員が一丸となった時は組織はバカになる可能性があります。反論する人を排して間違った方向にまっしぐら、なんってことはよくあること。
一歩引いたところから冷静、客観的に全体を観る役割は大切だと考えます。

彼らは時にシビアに批判しますが、その意見はちゃんと聞くべきだと思います。

組織は形状記憶合金みたいなものです。
元の形…デフォルトにすぐに戻ってしまう、だから時間をかけてデフォルトを変えることが大切だと思うのです。

その第一歩はリーダーの想い、自分の正直な想いを自分自身で知ることだと思います。

【現在受付中のセミナー】

■10月13日-14日 自律的集団を加速する! TOC × 指示ゼロ経営セミナー in 神戸
僕(米澤)が10年かかり実現した自律型組織を3年で構築することを狙った研修です。
TOC(制約理論)の科学的なアプローチと、指示ゼロ経営の人間的アプローチで迫ります。
実践した者だから分かる本音で語ります。
詳しくはコチラを!

■採用がチームづくりを決める! 自発的な人財が集まる採用セミナー i
不人気業種を経営する中で、試行錯誤の果てに開発した採用術をすべてお伝えまします。ある会社では起業前、つまりまだ実績がないにも関わらず定員の倍の人が集まりました。「働きがいを求める人材を多く集める」→「採用試験で自発性と成果意識が高い人材を見極める」→「既存の社員も教育に関わり、自ら育つ」
この一連のプロセスを通じ組織の底上げを狙います。
東京開催はコチラ!

大阪開催はコチラ!

■指示ゼロ経営プレミアムセミナー
指示ゼロリーダーが決して犯してはならない失敗を防止する特別セミナーです。
指示ゼロ経営は「信頼して任せる」というシンプルなプロセスですが、それを邪魔するのが以下の心理状態です。
□社員が味方になってくれていないと感じる
□どうしても気に入らない社員がいて、そいつの事ばかり考えてしまう
□任せたのについ口を出してしまう(ダメ出しをしてしまう)
□社員への期待が大きい分、現実と比べてガッカリしたり腹が立ったりする
□素の自分でいられずに疲れる
こうした心理状態を「自分で」楽にする秘訣を学びます。
詳しくはコチラをご覧ください!

 

 

The following two tabs change content below.
米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

記事を気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket