伝えるのが下手な人でもちゃんと相手に伝わるコミュニケーション術

社長の想いや方針が現場に伝わらないという悩みを持つ経営者が多いように思います。
先日もそんな話を聞きました。
その方は「熱意が足りないのかな〜?」と言っていましたが、おそらくそうではないと思います。
足りないのは「対話」だと考えています。
一方通行のワンウェイだからです。

今日の記事は想いや方針は伝えるのではなく対話によって共有しようという話です。

伝わらない原因は対話が不足しているから

人間関係にはエネルギーのバランスがあると言われています。
イケイケなポジティブがいると周りはそれに触発されてポジティブになるか?と言えばそうではありません。
むしろ引いてしまう…ネガティブになるのです。
逆にネガティブになっていると周りは「まあまあ、がんばろうよ」とポジティブになったりました。
「対等」…これがベストだと考えるのです。つまり対等な立場で対話をすることです。

よく優秀な営業マンほどお客様にしゃべらせると言いますが、人は自分がしゃべっている時に多くを学ぶし気づきも得ます。
意思決定もスムーズにいきます。
「人は自分の意志でのみ動く」が大原則です。

だから想いや方針を伝える時には「相手にしゃべってもらう時間」が欲しいわけです。
一方的に伝える時には熱意はかえって邪魔になります。
もう、相手は口を挟む余地がないからね。

この事実を知らずして熱心に伝えようとするとチームの健康度が下がってしまいます。
リーダーが「こいつら何で理解しないんだ。ヤル気がない」と不満を抱くからです。その不満を部下はキャッチし「信頼されていない」と感じてしまうのです。
信頼関係の崩れは共感の最大の敵です。

対話を通じ、同じゴールを目指していることを確認する

方針やアイデアを伝える時には、伝えた後に「みんなはどう思う?」と聞くことが大切だと考えています。
これ、勇気が要ることです。反論される恐れがあるから。
でも、これを避けると後で大きな代償を払うことになります。
実際に反論されることも多いと思います。でも、それは健全なチームの証です。
「反論したら潰される」「反論してもムダ」と思われていたら、そのチームは集団の知恵を活かすことができません。

リーダーには反論から議論を深めるという度量が求められると思います。
怖いですが、確かな事実が1つあります。
それは、会社を悪くしようと思っている社員はいないということです。
やり方はともかくとして目指すゴールは同じだと考えると、少し楽になりますよね。

例えば、20年も前の話ですが、弊社には新聞配達員の週休体制がありませんでした。
僕が継いだ直後に週休体制づくりに取り組んだのです。
配達員の健康と人材を確保しやすくすることが狙いでした。

これまでは休みは与えたが休日出勤をしてもらったという体をとっていました。
休みが取れるともちろん休日出勤手当ての分が減ります。
方針を伝えれば反論が出ることは容易に想像がつきました。
そして想像通りになりました。

僕は会社全体のことを考えて提案していますが、配達員は自分の収入を第一に考えるので議論は平行線をたどりました。

僕は説得に疲れて、思わず言いました。
「そう言うけどさ、社員の健康と人材確保に関してはどう思うの?」と。
すると「それは大切に決まっている」と言うのです。
しかし、その後に「でも…」が来る。

そこで、「じゃあ、どうすれば良いのさ?」と聞くと、あるスタッフが言いました。
「休日出勤手当が減る分、何か新しい仕事をして埋め合わせる」と。

この議論で決まったことは次の通りです。
1、埋め合わせを目的とした仕事はつくらない(目的と手段を取り違えるから)
2、会社の収益が増える仕事を創り、その仕事は新しいスタッフを雇わずに今いるスタッフを優先する

そして1年ほど経ってポスティングの事業を立ち上げました。新聞をとっていないお宅にもチラシを配布したいというクライアントの要望があったからです。

週休体制をつくるか、つくらないか?の議論が気づけば新しいアイデアを生み出したのです。

対話を通じ、同じゴールを目指していることを確認する。
手段はみんなの知恵を集結して考える。

対話の力は絶大です。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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