どんな職種でも仕事を楽しく変えることができる。愉しむと成果が出る

人が自発性なヤル気と創造性を発揮するためには「楽しい」という要素がとても重要です。
元気な会社は社員が仕事を心から愉しんでいます。
ところが「仕事は楽しむものだ」と説教しても愉しめるようにはなりませんよね。余計つまらなくなっていまいます。
だから愉しい環境を作ることが大切になるわけですが、僕はそれを社長・上司がお膳立てしてはいけないと考えるのです。

その理由は長続きしないからです。
愉しい環境を「自分たちで」創ることだと考えます。どんな地味な作業現場でもできると考えています。

今日の記事では長続きしない理由と、その対策を考えてみました。

楽しい化は成果を上げるが、それを社長がやるのは限界がある

まずは楽しさが自発的なヤル気につながるということを考えたいと思います。
これを検証する面白い実験をフォルクスワーゲン社がスウェーデンのストックホルムで2015年に行いました。
駅には階段とエスカレーターがありますよね。健康のために階段を使って欲しいわけですが、その仕掛けとして階段を歩くと音が鳴るピアノにデザインしたのです。

当時これを観て僕は経営者としてすごく衝撃を受けました。仕事を愉しめる環境を整える必要性に気付いたのです。
環境をつくらずして「楽しめ」「ヤル気になれ」と言っていたからです。
「経営者が社員が仕事を愉しめるような環境を創るべき」…そう思ったのです。

しかし、それが間違い、とまでは言いませんが土台無理な話だと気付いたのです。
だって人は飽きるでしょ?
「ピアノ階段」だってすぐに飽きられてエスカレーターに戻ってしまうと思います。
飽きられないように次から次へと新しいアイデアを生み続けるなんて無理ですよね。

で、考えたわけです。
「アイデアを更新し続けるためにはどうすればいいか?」と。
アイデアを公募するのが良いと思ったのです。あるいは健康への意識が高い市民でプロジェクトをつくることだと。

企業も同じだと思うのです。社長が1人で「何とかせねば」と頑張るから限界がくるのです。

愉しい化の秘訣は「自分たちで決め」「成果が見え」「成長が実感できる」

では社員の力を借りて仕事の「愉しい化」を考えたわけですが、そこで僕の経営者人生を変えるような気付きを得ました。
それは、わざわざ仕掛けをして仕事を愉しい化する必要などないということです。

そんなことをしなくても仕事はそもそも愉しいということです。
以前に記事で紹介しましたが、新聞配達という単調な仕事を愉しい化するために「勝敗表」を作ったことがありました。
相撲の勝敗表に見立てた表を貼り出し、配達のクレームがなければ白星、あった場合は黒星と毎日、つけていくのです。
勝敗は個々ではなくチーム全体でつけていきます。
これは非常に成果を上げました。

このアイデアを考えた時は勝敗表というカタチに秘訣があると思ったのです。
しかし、秘訣は違うところにありました。

「自分で決め」「成果が見え」「成長が実感できる」

この一連のプロセスが愉しい化の秘訣だったのです。
別に相撲の勝敗表のカタチをしていないくても良いのです。

しかし改善点もありました。それはチームの勝敗表なのに「チームで考える」ということをさせていなかったのです。
考えるのは個人、でも結果はチーム全体、ではいびつですよね?

チーム全体でクレームを減らすアイデアを考え決め→実行して→結果が見えて→また考える…
この構図にした方がより成果が出たと思います。
また、人は社会性の生き物なのでみんなでやった方が愉しくなるのです。

社長が1人で考えない。社員1人1人に考えさせない。
「チームで考え決め、実行し、その結果を検証し次に活かす」…これが愉しい化の原則だと考えています。

台風が近づいています。
くれぐれもお気をつけください!

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

【大好評につき再び開催】

■10月13日-14日 自律的集団を加速する! TOC × 指示ゼロ経営セミナー in 神戸
僕(米澤)が10年かかり実現した自律型組織を3年で構築することを狙った研修です。
TOC(制約理論)の科学的なアプローチと、指示ゼロ経営の人間的アプローチで迫ります。
実践した者だから分かる本音で語ります。
詳しくはコチラを!