大ピンチからV字回復した会社の物語は参考にならない

よく「奇跡の◯◯」という話を聞きますが、僕はあまり関心がありません。

チームが奇跡を起こしたとかそういう話です。
物語として劇画的に見るのは面白いですが経営の参考にはしません。
なぜなら奇跡は何度も起きないからです。
奇跡が起きなくても長い目で見て安定して成長していける経営に関心があるからです。
冷めているようですが、この視点で経営してからすごく楽になりました。

今日は奇跡に頼らない経営について考えたいと思います。

V字回復よりも安定的に成長する企業の方が奇跡だと思う

奇跡の経営は取り上げる側(メディア等)の都合だと思います。「倒産寸前からV字回復した」とかでないと物語にはなりませんからね。
そもそも物語のためには大ピンチが必要です。
大ピンチは経営判断のミスによって起こります。いかんともしがたい外部環境の変化によるものもありますが。
こういう奇跡は参考になりません。
もちろん大ピンチにいる会社では例外だと思いますが。

むしろ奇跡的だと思うのは大ピンチを経験しない企業だと思います。物語的には面白みがないけどすごく参考になります。
そういう企業にもピンチがまったくなかったわけではありません。でも倒産の危機という程の大ピンチはないのです。

例えば、我が家の近くにある伊那食品工業株式会社がそうだと思います。
経営者に同社のファンはすごく多く神格化されていますが、僕は神格化とはまったく違い意味で素晴らしいと思うのです。

同社に勤める友人が何人もいますが、僕が感じるのは「とても自然体」だということです。
素で「ええヤツ」が多いのです。あまりガツガツしていない。会社に対する文句も言うけど深刻じゃない。
その理由が「年輪経営」だと思うのです。
長期視点で経営を見ているということです。

長期視点で観るから正しいジャッジができるのだと考えています。

例えが良いか分かりませんが、先日僕はウェイクボードをやりました。
ボートに引っ張られて水面を滑るスポーツです。
スキーもスノボもそうですが、あの手のスポーツって上級者は遠くを見て滑っています。
初心者は「目の前」しか見れませんよね?下を向いて滑っている。
だから突然、予期せぬ大ピンチが訪れるわけです。
行き当たりばったりの滑りです。

商売も同じだと思うのです。

事業に賞味期限があることを知り次の一手を打つ

多くの場合、大ピンチの原因は「賞味期限切れ」だと考えています。
商品にもサービスにもビジネスモデルにも賞味期限…ライフサイクルがあります。
これは総務相が調査した携帯電話(ガラケー)の普及率のグラフですですが、1995年を境に一気に成長期に入ったのが分かります。

2009年までのグラフですが、この頃には普及のピークに達しています。恐らく2007年くらいにはガラケー業界の社長の中には大豪遊をした方もいたでしょう。季節で言えば収穫の秋、でもすぐに厳冬が待っているのです。
2008年にはiPhoneが日本国内で発売になりました。スマホ時代の到来です。
しかし当初は「日本人はスマホなど使わない」という分析があり、結構、信じられていました。ところが今やスマホは主流です。

大豪遊していたガラケー社長に、ある日突然大ピンチが訪れた。
そこから奇跡の経営で復活した会社もあったと思いますし市場から撤退した会社もあったと思います。
中には「ガラケーの賞味期限切れ」を予測し次の一手を打った会社もあったと思います。

長期視点を持ち次の一手を考えるか?
「今、稼がないでいつ稼ぐ?」と目先にとらわれてしまうか?
大きな差だと思います。

可能性は3種類あると思います。
「春がいつまでも続く」
「大ピンチからV字回復する」
「ライフサイクルを予測し次の一手を打つ」

春がずっと続くことはありません。
劇画的ではあるが大ピンチからの復活はできれば経験したくない。
一番、地味だとは思いますが「次の一手」を考えることが長期的に最も「奇跡の経営」なのだと思います。

世の中は諸行無常。
経営も同じだと思います。

食品のように賞味期限が表示されていたら便利なのに…そう思ってしまいますが自分で判断するしかないですね。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!

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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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