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人間に欲望がある限り、商売は永遠に不滅である

扱っている商品・サービスは非常に大切な経営資源ですが、そこに意識が行き過ぎと本質を見失うと思います。
確かに商品が売れて初めて売上が立つわけですが、それを買うのはお客様…「人」です。
人がいなければ、買うという行動をしなければ売れるという現象は起きない。

では人はどうして行動をするのか?…何らかの欲求を満たしたくて行動しています。
だから欲求を知ること、しかも時代によって変わる欲求を知ることはすごく大切だと思うのです。

あと何年使えるか分からない高級たんすを買った80代の女性

今はモノが直接、豊かな生活を保証してくれる時代ではないと思います。
もう十分に物質的には豊かになったから、その先の欲求に移り変わっていると思います。
だから単にモノを並べておくだけでは売れないわけです。
よく「現代の生活者は欲しいモノが分からない」と言いますが本当にそうだと思います。

例えば、高校生の息子の誕生日に「何が欲しい?」と言っても即答できないのです。
別に悟りの境地に達したわけではありませんよ(笑)

欲望はなくなっていない。ただ自分の欲望と、それを満たすモノが結びつかないのだと思います。

先日、仙台市にある創業146年の「門間箪笥店」に社内研修でお邪魔しました。
仙台箪笥(たんす)の老舗です。
そこで現社長のお母様がとても素敵な話しをしてくれました。

以前に、お店に80代の女性が来られたそうです。
そして箪笥を買いたいとおっしゃる。とても高価な箪笥です。
それを聞いたお母様は心の中で「後、何年使えるんだろうか?」と思ったそうです。
実は、そのお客様、1人で暮らしておられるそうなのです。
そこで「よろしいのですか?」と聞くと「はい、自分のために買いたいのです」と答えたそうです。
人生の終盤に選ばれる箪笥です。
とても素敵な箪笥をつくっているのだと感動しました。

さて、そのお客様は箪笥を買ったわけですが、満たしたい欲求は何だったのでしょうか?
こればかりは本人にしか分かりません。
もしかしたら、ずっと欲しかったのかもしれません。それを買わずして人生を閉じたら後悔する、そんな思いだったのかもしれません。

もしかしたら亡くなった旦那様と「いつか門間の箪笥を買おう」と話し合っていたのかも知れない。
いつまでも旦那様と一緒に生きている、その象徴である箪笥が欲しかったのかもしれません。

扱う商品ではなくお客様が「どんな欲求を満たしたいのか」と視点を変えてみる

昨年、弊社では2020年以降の受験対策のセミナーを行いました。
2020年以降の受験は大きく変わります。
これまでの覚えたことを吐き出すスタイルから、自分の考えを述べる記述式に変わるのです。
そこで新聞記者を講師に招き、新聞から自分が興味ある記事を探しそれに対する自分の考えを述べる(書く)トレーニングをしたのです。

帰り際にある参加者のお母さんがこう言いました。
「この内容だったら1万円でも参加したわ」と。

「じゃあ、ちょうだい!」と言いそうになりましたが(笑)このお客様は1万円という価格を何に対して感じたのでしょうか?
セミナーの内容なのでしょうか?
その方のお子さんはそれから毎日、新聞を使ったトレーニングをしていると言いますが、新聞代の約3000円は何に対して払っているのか?

本質的には「子どもが受験で失敗しないこと」に対する対価だと思うのです。

僕は「新聞を売った気になっていてはいけない」と思ったのです。

扱う商品ではなくお客様が「どんな欲求を満たしたいのか」と視点を変えてみる。
そうするとこれまでとは違うアイデアが出ると思います。

現代人は豊かになった分、今度はそれを失いたくないという欲求が強いと言われています。
モノに満たされると、今度は「心が満たされていない」と気付くようです。

そんな人のために、あなたの会社でできることがあるのではないでしょうか。
人間に欲望がある限り商売は永遠に不滅なのです。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!

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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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