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たった2年で業態転換に成功した社長のすごい任せ方

人は任されることで責任感も自発性も育ちます。
どうせ任せるなら「ひと仕事」任せた方が良いと思います。
工程の一部分だけではなく丸ごと全部を任せた方が信頼されていると感じヤル気になるものです。
ところが、その際の「任せる側の態度」で成長は大きく変わってくると考えています。
上から目線か同志として尊重するかの違いです。
今日は任せることの精神的態度について考えてみます。

デキる上司に多い「権限委譲型」の任せ方

デキる人ほど任せるのが下手という話を聞いたことがあります。
その理由は「部下は自分より上手にできない」と思ってしまうからです。
危なっかしくて任せられないのです。
ところがそんな上司でも部下との信頼関係があると部下は「任せて欲しい」と願いがんばります。
そして、晴れて任された時には責任と誇りを持ってがんばるのです。

この任せ方を「権限委譲型」と僕は呼んでいます。
基本、上から目線です。
自分にもできるがキミに任せるという発想ですよね。
とても素晴らしいことだと思いますが、この場合、上司の限界が部下の限界となってしまいます。
自分と同じレベルになったら任せるというのが標準だから。
でも、今は何が正解か分からない時代です。
上司にも正解が分からない、正解は無数にある時代です。
同時に上司の感性はどんどん古くなっていきます。

上司の標準で仕事をしていたら時代に取り残されることもあります。
だから上司は自分のメンテナンスをする努力が求められるわけですが、それも限界があると思います。

そこで、もう1つの任せ方…「同志型」の登場です。

上下関係ではなく部下をパートナーして見るやり方です。
そういう意味では部下という言葉は相応しくないような気がしますが、これに代わる言葉がないので部下と呼ぶことにします。

同志型の任せ方で業態転換に成功した社長

同志型とは自分にはできない事があると認め「力を貸して欲しい」と投げかけるスタイルです。
これを実際にやっている社長がいます。
東京板橋区にある株式会社NHCの山口英司さんです。
業種は新聞販売店です。
新聞業界は今や斜陽産業と言われています。
そこで新たな業態に化けることが求められるわけですが、諸所の事情でそれが許されませんでした。
それが許されたのは今から2年ほど前です。
そこまで切羽詰った状況になったのだと思います。

業態転換には時間がかかりますが同社はわずか2年でやってしまいました。
その要因が「力を貸して欲しい」のマネジメントです。

同社は新聞配達の地域密着の強みを活かし様々なサービスを開発しています。
例えば、高齢者向けの生活サポート事業です。
電球の交換からハウスクリーニング、草取りまでを手がけています。
その他にも、高齢者向けの健康教室、スマホ講座、夢新聞の講師は社内に4人もいます。

この実現は山口さんが「力を貸して欲しい」から広がったものです。
自分1人ではできないから助けて欲しいという発想です。
権限委譲ではない。
事実、山口さんはハウスクリーニングも健康教室もスマホ講座も夢新聞教室もやっていません。
大胆な任せ方ですよね?
普通、自分にできないことを任せるのは怖いものです。

なぜ、それができるのか?
その答えが取引先である朝日新聞社からの表彰状にありました。
昨年、その功績が認められ栄誉ある賞を受賞したのですが、そこにはこんなことが書かれていました。

「好きなこと得意なことで人の役に立ち仕事・人生を愉しむ」ことを実現するため社員個人の力を活かせるサービスの提供もしています。

まさに指示ゼロ経営の真髄だと思いました。
戦略に社員を合わせるのではなく、今いる社員でできることを考えるという発想です。
豊富に人材が集まらない中小企業の手法だと考えます。

たった2年で業態転換した秘訣はここにあると考えています。

権限委譲型か同志型か。
正解はなく自社の個性に合った方法を取ることだと思います。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

 

 

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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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