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なぜ人は、企業は、挑戦よりも現状維持を選んでしまうのか?

昔から「三人寄れば文殊の知恵」と言うように、集団は賢いものです。

ところが、時としてどう見てもバカなことをしてしまうこともあります。
企業で起きる不祥事、官僚の欺瞞、最近では相撲協会や大学のスポーツ部でもありました。

メディアは簡単に批判しますが、どの集団もそういう状態に陥る危険性を孕んでいます。
それは批判しているメディアでも。
集団はいとも簡単にバカになってしまうのです。

今日の記事では集団バカが起きる典型と、その防止法について考えたいと思います。

挑戦よりも現状維持を好む

人は損をしたくない生き物だと言われています。
例えばこんな実験があります。
当たりとはずれが半々のクジがあります。
当たりを引けば1万円もらえるとします。
しかしハズレを引いた場合は5000円払わなければいけません。
あなたなら挑戦しますでしょうか?

僕は…う〜ん、すごく迷うよね…
これ、多くの人が挑戦しない(引かない)という選択をするそうです。
論理的に考えれば、選択は挑戦一択でしょ?
でも、「人は損をしたくない生き物」なので躊躇してしまう。

さらに、もう1つ条件を加えます。
「引かなかった場合は3000円もらえます」
すると、ほとんどの人が「引かない」という選択をするそうです。

企業で言えば、新しい挑戦で一攫千金を狙うよりも現状維持を選ぶということ。
現状維持でもすぐには困らない…(クジを引かない場合でも3000円もらえるように)今の報酬はもらえるから挑戦を避けてしまいうのです。

会議ではそういう人が挑戦によるリスクを論理的に話すので、あっという間に集団の合意が出来上がってしまいます。

ところが変われない企業は時代に取り残されるので、いつか大変な代償を払うことになります。

人間の「損を嫌う」という性質が集団バカを生むというわけ。

よっぽど気を付けないと陥ってしまいますよね。

億劫を避けると集団はバカになる

人は何かに挑戦する時に、人間関係の煩わしさに直面します。
そもそも挑戦よりも維持を好むのだから、みんなを説得するのは骨の折れる作業ですよね。
その大変さを知れば知るほど…ベテランになるほどその煩わしさを知っているので億劫を避けたくなります。

僕が先代から事業を継いだ時は24歳でした。
就任して一番最初にやった仕事は週休体制の確立でした。
多くの新聞店では今でも、配達員の休みが休刊日だけです。(年10回ほど)
その状態を放って置くと、いつか労務難に陥ると思い週休体制確立を決意しました。
当然、休んだ分給与が減るので反対が出ることは承知していました。
でも、僕にはそれができた。
若いから?
それもあるかもしれませんが、就任したばかりでスタッフに対する「情」が生まれていなかったのが最大の要因です。

これがもしスタッフの色んな事情…「頑張って稼いで家族を養いたい」とか「子どものプロ野球選手になる夢を応援したい」といったことを知ったら、決断はできなかったと思います。
そうした事情を知った上で折衝するのはもの凄いエネルギーを要し、本当に億劫と感じて、現状維持を選択したかもしれないと思うのです。

その労を避けるといずれ大きな代償を払うことになります。
その損失は金額にすると相当なものになるはずです。
だから労はコストとして認識する必要があると考えるのです。

組織が固くなればなるほど、それを壊す時の人間関係の折衝が複雑になりますから心理的苦労は大きくなります。
本当に疲労困憊しますよね。
だから、よほどの覚悟がないと現状維持に甘んじてしまうのです。

「人は損を嫌う」
「億劫を避けたい」

もう集団はバカになる宿命にあると思ってしまいますが、バカにならないとすれば「バカになった、あるいはバカになりそう」と自覚することだと思います。
無自覚が一番、怖いもんね。

そのためにも集団バカの原則を知ることが大切だと考えるのです。

馬鹿とは馬と鹿の区別がつかないのではなく「分かっていても言わない、行動しない」ということなのかもしれませんね。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

 

 

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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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