人間が持つ、あらゆるモチベーション源を活用した経営

人には様々なヤル気の源があります。
「得意のエネルギー」「意地、悔しさのエネルギー」「仲間と協働するエネルギー」「使命感のエネルギー」
人によって優劣はあると思いますが、どれか1つではなく多くの柱を持つことが大切だと思います。

指示ゼロ経営ではこうしたエネルギーが多く発動する環境を創ることに力を注ぎます。
今日は、その環境について考えたいと思います。

まずは得意、次に意地、協働と柱を徐々に建てていく

昔から適材適所と言いますが、仕事は得意な人にお願いした方が良いと思います。
よく「好きなことを仕事にする」と言いますが、必ずしも好き=得意とは限りません。
得意という視点で見た方が良いと思うのです。

得意のエネルギーを満たすと、次の「意地、悔しさのエネルギー」に移行しやすいです。
全てにおいて負けず嫌いという人も中にはいますが、多くの人は自分の領域外では負けても悔しさを感じません。
逆に、勝ち負けに拘らない人でも得意分野になると人が変わったように意地を張ることがありますよね?

得意を担当すれば意地、悔しさのエネルギーも同時に持つことができると考えるのです。
この時点で2本の柱を得ることができます。

次は「仲間と協働するエネルギー」です。
僕は、全人類にこの素養が備わっていると考えています。
遺伝子レベルで学習した行動様式だと思います。
人類は誕生以来、幾多の試練を共創・協働で乗り越えてきました。
その経験が遺伝子に刻み込まれているので、そうすることで喜びを感じるようにできているのだと思います。
とても自然な行動様式だと考えます。

これを発動させるためには、仕事を個々に割り振るのではなく「集団に」仕事を振ることです。「集団に課題を与える」ということ。
人の集団は課題に対し自律的に役割を決める力を持っています。
つまり、自然と自分の得意分野を担当することになるというわけ。
そこには誇りも意地もあります。
周りからも期待されるので、もしできなかったら相当に悔しがり、それが成長の原動力になるはずです。

同時に、成功した時には格別の悦びを感じますよね。
「自分の得意で仲間の役に立った」
「お客様の役に立った、喜ばれた」

こうした感覚を重ねていくと不思議な使命感…「自分はこれをするために生まれてきたのかも?」という使命感覚を得る人が出ます。

使命感の柱は最後に建つ

使命感のエネルギーは本当に強いと思います。
「気がつけばそれをやっている」「その行為自体が報酬」…諦めなんて無関係なモチベーションです。

使命というと大上段に構えてしまいますが、それは複雑な仕事だけでなく単調な仕事…例えば、新聞配達でも可能です。
弊社のスタッフに若い頃から消防団で活躍した男性がいます。
消防団はほぼボランティア活動です。
むしろ、上層部になると持ち出しが多くなると思います。
それを進んでやっている理由は、取りも直さず「それが自分のすべきことだから」だと思うのです。
「すべきこと」というのは小さな意味での義務ではなく、もっと大いなる意思の下での義務です。

その彼が新聞配達をやると必然的にパトロールを兼ねます。
独居老人宅で前日の新聞が抜かれていなかったら家中で倒れているかもしれません。
実際に、それを発見したことで大事に至らなかったこともありました。


お客様からお礼の手紙をいただくこともある

彼は新聞とともに安心・安全を届けるスーパー配達員なのです。

彼の実践事例は全体で共有し学び合うようにしていますが、同じような実践をしてくれる方が増えてきました。

得意であり、意地もあり、仲間への貢献もでき、自分の指命でもある…
彼のモチベーションの柱は4本もあるのです。
ちょっとやそっとじゃ揺るがないよね。

僕は、好きを仕事にするだけでは弱いと思っています。
楽しいだろうけど弱い。
弱いと人の役に立つことはできませんよね。
モチベーションの柱が脆弱だと、何かあるとすぐにヘコタレてしまうと思います。
かと言って、いきなる使命感の柱は見つからないものです。

得意→意地・負けず嫌い→協働→と1つずつ建立した時に、最後に建つべき柱が、自分の使命だと分かるものだと思います。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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