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社員とチームを伸ばす表彰制度、駄目にする表彰制度

多くの企業で表彰制度を取り入れていると思います。
成績上位数名がみんなの前で表彰状と金一封を受け取るというスタイルが一般的だと思います。
ところが表彰制度はやり方によって毒にも薬にもなります。
毒というのは社員の自発的なヤル気を破壊してしまうということ。
そんな風になったら勿体ないよね。

今日は、社員とチームを伸ばす表彰制度について考えたいと思います。

表彰制度が毒になる3つのケース

表彰制度の意図は2つあると考えています。
1つは、やった人への感謝と称賛を伝えることでさらにがんばって欲しいという願いです。
もう1つは、みんなの前で表彰することでの全体のヤル気を喚起する狙いです。
見た人が「次回は頑張ってステージに上がるぞ」と思って欲しいということ。

ところが、その願いは残念なことにあまり報われないと思います。
その理由はいくつかあります。

無駄に敗者を生む危険性

表彰のやり方が熱ければ熱いほど、受賞者の勝利感を高揚させる一方で、表彰対象にならなかった人(チーム)の敗北感が際立ちます。
でも、表彰されなかった人、チームも(表彰ラインには乗らなかったけど)十分に成果を出していることが多いと思います。
無駄に敗者を生むというのはこういうことで、全体にとって得なことではないと考えています。

社長のイエスマンを生む危険性

もし表彰基準を社長・上司が独断で決めているとしたら危険だと考えています。
それは事実上「自分に都合の良い社員」を称えるということだからです。
人は、人前で称えられると自尊心が満たされ気持ちよくなりますよね。
その効果が大きいから「評価されることをやる」と動機が偏ってしまう危険性がある。
もしそうなったら「イエスマン養成制度」です。

会社全体の成長に役立たない危険性

結果(数値)だけで評価することも弊害があると考えています。
「仕事は結果がすべてだ」というのはその通りだと思いますが、良い結果は良いプロセスで生まれるものです。
表彰制度を全体の向上に繋げたいのなら結果よりもプロセスに着目した表彰基準にした方が良いと考えるのです。

表彰制度が薬になる3つのコツ

ではどんな表彰基準が良いのか?という事を考えたいと思います。
「これが正解」という単一解はないと思います。
自社の風土や社長や社員のキャラに合った方法を取るのが良いと考えるのです。
例えば、先程の「無駄に敗者を生む危険性」に関しても、悔しさをバネに頑張るという文化があればそれでも良いと思うのです。

いずれにせよ、会社全体の成長に繋がることを目的にすることだと考えています。

みんなの投票で決める

長野県には「テンホウフーズ」というラーメンチェーンがあります。
「みんなのテンホウ」のキャッチフレーズで親しまれています。
大手が参入できないくらいに地域に根ざしている凄い企業なのですが、フレーズにならい同社の表彰制度は「みんなの投票」で決めています。

日頃から実践事例をSNSのグループページで共有し、それを投票の参考にしています。

この方法だと社長に支配されずに変な依存を生まないし、本当に社員にとって学びがある実践が称えられることになります。

成長度合いを評価する

表彰が他者、他チームとの競争を煽るものだと自発性と創造性は破壊される危険性が大きいです。よく内発的動機づけ(自分の中から湧き上がるモチベーション)と外発的動機づけ(外部からコントロールされて発動するモチベーション)があると言われますよね。
前者の特徴は、持続性があり創造的であること。
後者は、即効性はあるがやり続けないとモチベーションが維持できず、創造性も低くなります。

健全な競い合いは人を育てますが、それが他人からコントロールされたものだと逆効果になるということです。
なので、基本的には自分自身、チーム自身との比較が良いと考えるのです。

みんなが参考になる実践をシェアしてくれた人とチームを表彰する

これは先程のテンホウフーズさんがやっていることです。
良い結果は良いプロセスによって生まれますので、良い結果がどの様に生まれたか?をシェアした人、チームが表彰されることは全体の成長に貢献すると思います。
ただし、それも全員の投票で決めることが大切だと思います。

時代が創造性へと移り変わった今、表彰制度のあり方、やり方も変えていく必要があると考えています。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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