自分で考えずに成功している事例を参考にするとロクなことにならない

今は正解のない時代だと言われています。
それは自社だけの解、自分だけの解があることを意味しますが、やはり成功事例には妖しいまでの魅力がありますよね。
手っ取り早く成功しそうな気がしてしまう。
でも、そんなには甘くないのが現実です。

逆に言うと、事例を最初に出さない事が大切だと考えます。
その理由は、思考停止を起こすからです。

成功事例は他社が簡単に真似できるものじゃない

僕は講演の依頼を受ける時に気をつける事があります。
それは「事例を多く紹介してくれ」と言われた時です。
その要求があるという事は、上手く行く具体的な方法が知りたいと思っている可能性があるからです。
酷い時は「成功したチラシをそのまま使いたいからくれ」なんて言われることもあります。

例えば、弊社では子ども向けの科学雑誌の販売で大きな成果を出したことがあります。
チラシを地域に配布したのですが、決定的な成功要因はチラシの出来栄えではありません。

もちろんチラシには工夫をしましたが、一番の要因は、スタッフも僕もPTA会長や副会長をやっていたことで対象となる顧客層に顔が売れていたからです。

さらに僕が地域で夢新聞の活動をしていたことも要因の1つだと思います。

チラシに「何が書かれていたか?」ではなく「誰が書いたか?」ということ。
だから研修でそのことをお伝えするのですが、中には「そんなに面倒なことをするの?」という顔をされる方もいます。

では同じようにPTAの役員をやれば良いのか?となりますがそうではありません。
僕たちがPTAをやったのは商売のためではなく、それに意義を感じたからです。
好きでやっているということ。

だからこの事例は誰にでもマネができるものではないと考えるのです。

「水平展開」という言葉がありますが、昔よりも今はこの手法が使えなくなってきていると思います。
その理由は大量生産・大量消費の時代ではないからです。
成熟社会を迎え「モノを合理的に市場に流す」という目に見えて分かりやすいメカニズムが通用しなくなっているからです。
生活者は「心の豊かさ」を求めるといいますが、感性による消費を行うようになりました。

自社だけの解、自分だけの解を自分で見つけることが大切です。

何をどの様にやっているかではなく「理由」を聞く

これは研修だけでなく社内でも起きる危険性があります。
それが「ベンチマーク」です。
成功している会社に視察に行く時は本当に気をつけた方が良いと思います。
特に困っている時は気が焦るので、本質ではなく表面的、目に見える部分だけにすがってしまうからです。

それを防ぐには「Why」…「なぜ、それをやっているのですか?」と訊くことだと思います。
「What」や「How」ではなく「Why」

これしか本質にたどり着く方法はないんじゃないかと思います。

例えば、先程の子ども向け科学雑誌の場合、その商品をどの様に売ったのか?ではなく「なぜ売ろうと思ったのか?」ということ。
理由は、「子どもたちが楽しく学んでくれそうだから」です。
「売れそうだと思った」ではないのです。
自分でサンプルを読んでみてすごくワクワクして、自分の息子に読ませたいと思った。
そうしたら息子の友人の顔が浮かび、彼の親が喜ぶ顔が想像できたからです。
なぜ友人や親の顔がたくさん浮かんだかと言えば、PTA活動をやっていたからです。

だからチラシをつくる時も彼らの親に語りかけるような文章で書くことができたのです。
それが伝わったのだと考えています。

こうした背景が大切だと思います。
同時に、これはマネができない人にはできないのです。

今は正解がない時代、無数に正解がある時代とも言い換えることができます。
その人、その会社オリジナルの答えがある。

事例を参考にするなら「What」や「How」ではなく「Why」
その思考手順に秘訣がある。
結局、自分で考えてオリジナルを編み出すしかないのだと考えています。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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