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会社が村社会の風土だとクリエイティブな人材が来ても潰されてしまう

企業は、最初は「たった1人」から始まります。
共同創業をした会社でも、その案を出すのは最初の1人ですからね。
やがて事業が成長すると1人ではできなくなり人を雇います。
最初は「物理的に無理になった」という理由…人手が欲しいという理由で採用することが多いと思います。
それが、転換期になると「これまでにない能力を持った人材が必要」という動機…頭脳としての新しい血が必要になります。

今、多くの企業が商売のカタチを変える必要に迫られていますよね。
社長にも正解が分からない。
その時こそ新しいタイプの人材が必要だし、彼らが活躍できる風土を創ることが重要になります。

企業が自律型組織を目指すと村社会に陥る危険性がある

日本はずっと「村社会の論理」で成長してきました。
変化が少なく安定した時代にはこの方法が良かったと思います。
でも、今のような変化が激しく正解がない「VUCAの時代」にはマッチしないと思います。
もっと躍動的な集団が求められます。

社会心理学者の山岸俊男先生は、著書「日本の『安心』はなぜ消えたのか?」の中で、安心社会と信頼社会という概念で、これからの日本社会のあり方を提唱しています。

安心社会とは村社会のことで、勝手な行動を起こす人が出ないようにみんなで監視し、時に掟を破った者には制裁(村八分)を加えます。
安心社会では積極的に他人を信頼する必要はないと言います。
監視し合うシステムがあるので集団の中に安心が埋め込まれているからです。

対し、信頼社会は積極的に他人とつながり協働するコラボレーションが起きます。
リスクもあるが変化に対応できるので、今の時代に求められる体系だと考えています。

企業で自律型組織を目指すと村社会に陥る危険性があります。
村社会では、個人の意思決定・行動には全体の承認が必要になります。
集団で決めたことしかできないのです。

例えば、僕は大学を卒業した後にドラッグストアに入社しました。
トップダウンではない風土でしたが結構、村社会的でした。
入社して一番最初に上司に怒られた出来事があります。

ある日の夕方、お客様からクレームの電話がかかってきました。
こういう時って、最初は「誰が原因か?」と犯人探しをしますよね?
みんなが「自分じゃない」と言う。
その時もそんな感じでしたが、僕が良く知っているお客様だったので、僕はすぐに「まずはお詫びに行きます」と名乗り出て、すぐに店を出ようとしました。
すると店長に「勝手な行動を起こすな!」とたしなめられました。
店長が指示を出してくれるのかと思いきや、閉店後に懇々とミーティングをしたのです。

全員の合意が取れた段階で行動開始で、僕はお客様にお詫びに行きましたが「今頃なんだ!」と怒られたのを覚えています。

クリエイティブな人材を採用する前に風土の改革を行う

村社会で最優先されるのは「全員の合意」です。
極論すれば、良いアイデアを出すことは二の次です。
集団内で不協和音が起きないようにすることが最優先、ちょっと不気味な風土だと思います。

僕は「合意は不要」と言いたいわけではありません。
集団の合意が何よりも最優先させるのが問題なのです。
集団が主、個性は従という構図になると斬新なアイデアは生まれません。
誰の意見、アイデアでもない最大公約数的なアウトプットしかできなくなりますし、スピードも遅くなる。

指示ゼロ経営を目指すとこの状態に陥る危険性があります。
良いアイデアを出すことではなく、全員が合意したか?が最優先になる。
ガラパゴス的に独自の世界で経営ができれば良いかもしれませんが、今はそんな環境じゃないからね。

「みんなで話し合う」
「みんなで決めていく」…そんな言葉が使われ始めたら危険シグナルナルだと思います。

では、どんな状態が良いのか?
先ほどのドラッグストアの例で言えば、こんな感じです。
クレームが来た時点で、サッとみんなが集まり「まずは僕がお客様にお詫びに行きます」と僕が言います。
すると別の人が、「米澤さん、お願いします。私は原因を解明します!」というと、また別の人が「じゃあ、僕も原因解明に加わります」と名乗り出る。
すると店長が「原因が分かったら対策を考えるミーティングをしよう。まずは各々、行動してくれ」と言う。

で、各々が情報を持ち寄って対策ミーティングが開かれます。
そこでは良いアイデアを生むことが優先されるため、様々なアイデアが出ます。
当然、「A案かB案か?」で意見が衝突することもあると思いますが、村社会の「A案でもB案でもない最大公約数的なつまらないアイデア」よりは、はるかにマシだと思います。
AかBか?の選択であったとしても、みんなが参画することで納得が生まれると思います。
上手くすれば「AでもBでもない、すごいC案」が生まれる可能性だってあります。

全員の合意を最初から最優先しない。

誰にも正解が分からない時代では、毛色の違う人材を入れることが大切ですが、その人材も今いる社員も存分に活躍できる風土を創ることが非常に大切だと考えています。

それでは今日も素敵な1日を!

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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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