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組織を生態系と観ることができれば自律型組織は実現する

自律型組織に対する関心が高まってきています。

ホラクラシーという言葉も昔よりはだいぶ聞かれるようになりました。
ホラクラシーとはヒエラルキーの対義語で、上下関係のないフラットで自由な組織形態を指します。
最近では「ティール組織」という書籍が日本でも発売になり、各地で読書会が開かれています。

ところが、頑張って作ろうとすると作れなくなるのが自律型組織というものです。
つくるのではなく「自然なカタチになる」といいう視点が重要だと考えます。

今日は自律型組織を目指す社長が持つべき視点について考えたいと思います。

会社は「森」という生態系、社員はその中で自分で役割を決めて生きる

自律型組織はこれまでの常識を覆すほど考え方も進め方も違います。
例えば、これまでの常識といえば…
「他人は変えられないが自分は変えることができる」と言われますよね?
企業は社長次第と言います。
覚悟と決断が必要だと言う人もいます。

これ、いつの時代でも変わらない普遍性の高い考え方だと思います。
自律型組織においても必要な考え方です。

でも、それを“社員を育てる”、“組織を変える”という「自分の努力で変える」という方向に使うと自律型組織にはならないと考えるのです。
この視点の転換が最も難しく、これなくして勉強会に参加するのは逆効果だと思うのです。

これまで100年以上、経営者は戦略発想で経営をしてきました。
組織を機械のように合理的に考え「こうすればこうなる」というコントロールを行ってきました。自分の手で、自分の決断で、自分の努力で、自分の頑張りで組織を何とかしようとしてきた…その習慣を変えないと自律型組織にはなりません。

では、どういう視点・発想が必要なのでしょうか?
それを、すごく分かりやすく表現した友人がいます。
岐阜市でヘナ専門美容室「月と風」を経営する武藤 花緒理さんです。
先日、ふと気付いたことをfacebookに投稿したのですが、僕はそれを読み「これぞ指示ゼロ社長の組織観だ」と膝を打ったのです。

会社は「森」という生態系だと感じて、社員さんは生態系の中の役割を自分で決めて生きるという組織観です。
生態系は神の領域ですから人間が支配することはできません。
系に畏怖の念を持ち、信頼し尊重する…「ゆだねる」という発想が求められると思います。

人と集団の本来の力を信頼し手放す

かつて、米国アリゾナ州で「バイオスフィア21」という人工的な地球をつくる実験が行われました。
7年の歳月と1億5000万ドルをかけて、世界中から4000種に及ぶ動植物を運び入れ「強化ガラス」に仕切られた空間に、熱帯雨林、海洋、サバンナ、湿原、農地、砂漠などさまざまな環境を再現しました。

結果的に失敗に終わったのですが、その原因をプロジェクトに関わったある科学者はこう表現しました。
「われわれは人口地球のあらゆる側面にかかわり、相互作用は樹木から分子レベルにまで及びその結果、環境の限界と繊細さを知った」

つまり生態系はあまりに複雑なので人間のコントロール下に置くことはできないということです。
もしかしたら、未来には実現するかもしれませんが現在の技術では難しいのです。

地球ほどの複雑さはないにせよ、人の集団は社長が観ることのできないほどの複雑な相互作用で成り立っています。
そこにコントロールを加えると様々な歪が生じます。
心身の健康を害したり、環境を破壊したり、不正が頻発したりと…

指示ゼロ経営を目指す社長にとって、最も大切な観念は「人の集団は本来的に、課題解決のために自律的に、最適な状態を創り出すことができる」という「信頼」です。

人はそもそも、概ね善良です。
そうでなければ社会は成立しませんから。

善良な人間の集まりもまた本質的に善良であると思います。
自然の理を逸脱するとバカになりますがね(笑)

信頼できるかどうか?
それができたら自分の手で創るという意志を手放せると思います。

今日は、武藤さんの投稿に刺激されとても抽象的なことを考えました。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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