指示命令をやめれば社員は育つのか? 〜指示ゼロ経営の疑問を考えてみた〜

「いちいち指示命令するのではなく任せた方が良いことは分かっている」
でも…
「指示を出さないと動かないんだよ」
「指示を出さないと責任の所在が曖昧になりそう」
「社員が好き勝手なことを言い出すんじゃないか?」…

指示ゼロ経営を導入しようとしている社長から様々な相談を受けます。
「信頼して任せる」というシンプルなプロセスなのですが、そこには多くの葛藤、心配がありますよね?

今日は指示ゼロ経営を導入している方、これから導入を考えている方からよく受ける3つの疑問について考えたいと思います。

指示命令をしないと自律型組織になるのか?

指示ゼロ経営とは「社長・上司がいちいち指示命令をしなくても、社員集団が自分たちで課題を発見し、自分たちで考え、助け合い、学び合い、時に叱咤し合いながら行動し成果を上げる状態」を言います。

僕には1つ罪があります。
それは「指示ゼロ経営」という名前を付けたことです。
「指示命令をしないと指示ゼロ経営になるのか!」という誤解を与えてしまったのです。
そりゃそうだよね(笑)
正確には「指示命令が必要ない状態」「指示命令が効力を持たない状態」を言います。

そのためには「みんなが実現を望むビジョン」が必要です。
人は自分が望むことなら自発的に動きますよね?
すごく自然なことだと思います。

ただしビジョンのデザインには注意が必要です。
それは「一方的に伝えても効果がない」ということ。
他人に言われたことは、理解はできても所詮「他人事」です。
自分事になるには参画が欠かせません。
つまり、社長の想いに対し、各々がどう思うか?どう考えるか?を話し合う時間が必要になります。


これができると、各々が思いを持ち、指示命令をしても自分の意志で動くようになります。
ただ、それが正しい行動か?は分かりません。
そこで次なる疑問です。

間違ったことをしていても指示を出しちゃいけないのか?

これもよくある疑問です。
経験豊富な社長が見たら明らかに間違ったことをしていると、口を挟まずにはいられませんよね?
でも、社長だって最初からデキる人だったわけじゃないと思うんです。
間違いなく失敗を繰り返し成長してきたはずです。
「自分は失敗から成長したが、社員にはそれを許さない」ってのは傲慢ですよね。

基本的に大きな仕事は長期に渡って行われます。
大きな仕事を「のるか反るか」でやっている会社は危険です(笑)
大きな仕事の場合、蓋を開けたら取り返しがつかない事になっていたなんてことはなく、やっている途中で小さな不具合が起きているはずです。
でも、やっている本人はそれに気付かない、というか認めたくない。

その場合、客観的な事実を伝えることだと考えます。
「◯◯な状態になっているよね?」と。
評価ではなく事実を確認することです。

逆に小さな挑戦…例えば「来店時にお客様にかける挨拶を変える」といったものは、すぐに結果が表れるし、失敗の悪影響も小さく済みますしフォローができます。
そういうことはどんどん挑戦してもらえばいいと思います。

なんで社員1人1人を指導しちゃいけないの?

指示ゼロ経営では社員1人1人を指導することはしません。
その理由は、個々に指導すると「個々から相談を受けるようになるから」です。
指示ゼロ経営は「集団の知恵」で進めていく経営です。
「三人寄れば文殊の知恵」と言いますが、変化が激しく、創造性が求められる時代において社長1人で正解を示し続けるのは困難です。
それができたとしても、それを社員が自分事にしないと前に進みません。
言われたからやる、では創造的な仕事はできないですからね。

何かあると社長のところに来るのではなく仲間と相談するチームワークを形成する事が大切で、そのための基礎は個々を指導しないことです。

社員にとっても個別相談はしやすいので、業務上の相談だけでなく人間関係の相談も持ち込むようになります。
「Aさんが私の悪口を言う」といった相談です。
この手の相談は、相談というカタチをとってはいますが「Aさんが悪いでしょ?」という認定が欲しいだけです。
その上で「社長がなんとかしてください」となる。
で、Aさんを指導すると、AさんはAとさんの言い分があり、社長は板挟みに遭う。

深刻な悩みは例外ですが、そうでなければ当事者で解決することを求めるのが正解だと思います。

指示ゼロ経営は定形がないゆえに様々な悩みや疑問が生まれます。

「社長は何をするの?」
「社員が2人しかいなくてもできるの?」
「バラバラ好き勝手にならないの?」
「司令塔がいないと作業が回らないんだけど…」
「何で褒めたり叱ったりしちゃいけないの?」
「給料を自分たちで決めたら『月給100万円』なんて言い出しそう」
「指示ゼロにしたらNo.2が指示を出し始めたんだけど…」
「任せてたら、何もしないような気がするんだけど…」
「馴れ合いになりそう」
「経営のスピードが遅くなりそう」
「責任の所在が曖昧になりそう」

指示ゼロ経営に関心を持つ方が増えてきましたので、こうした疑問を解消する座談会を開催することにしました。
気軽に参加できますので、ぜひ遊びに来て疑問や不安を全部解消しましょう!

4月19日大阪開催【指示ゼロ経営の疑問をぜ~んぶ解消する座談会】
詳細、お申込みはこちらから!
http://www.shijizero.jp/archives/5793

 

 

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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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