手にしたいものを直接追求すると長期的にはそれが手に入らなくなる

売上・収益を厳しく追求したら、無理な売り込みが横行し顧客に嫌われ、最終的には儲からなくなった…
「お客様は神様だ」と無理な接客をしたら、社員が疲弊し良い接客ができなくなった…

どうやら企業には、手にしたいものを直接追求すると長期的にはそれが手に入らなくなるという原則があるようです。

「大切にするもの」を間違えると、手に入れたいことが逃げていく。

今日の記事では、今、何を大切にするか?ということを考えたいと思います。

教育現場において学力は本当に一番大切なものか?

「何を一番、大切にしているか?」選択の重要性を学んだのは学校教育の現場です。
学校教育(特に中学)では親も先生も、一番気にするのは学力(偏差値)だと思います。直近の課題が受験だからです。
高度経済成長期の名残がいまだに色濃く残っています。
でも、本当にそうか?と疑問に感じるのは僕だけじゃないと思います。

教育の目的は、一人前の大人にすること、そして幸せな人生を送れる人を育てることだと思います。
教育基本法の一番最初(一条)には学力向上とは書かれていません。
ざっくり言うと、「日本を背負って立つ一人前を育てる」と書かれています。
そのための手段の1つが学力です。

学力が幸せな人生を保証してくれる時代が終わり、今、新たなムーブメントが起きています。
僕が指示ゼロ経営や夢新聞で多大な影響を受けた方に、上越教育大学の西川純先生がいます。
2020年から導入されるアクティブラーニングを『学び合い』というメソッドで世に広げています。

僕も学校現場で普通のアクティブラーニングを見学しましたが、多くは学力向上を目的にしています。
『学び合い』は違います。
真の狙いは協働・共創で価値を生み出すトレーニングだと思います。
今は、学び合い助け合うことが、結果的に1人1人、みんなが得をする時代です。
生きる力を、算数や国語を使いトレーニングしているという視点で『学び合い』は実践されています。
結果、全体の学力も向上していますし、学級内の人間関係も良くなっています。
多くを手にしているわけです。

これは企業でも同じことが言えると考えています。
企業で一番大切にする目的は何か?…それを見誤らないことだと思います。

大切なものを正しく把握すると多くが手に入る

企業活動も学校と同じく「幸せの創造」が目的です。
社員、お客様、そして社長自身の幸せを創造すること。
利益はその手段です。

冒頭に書いたように、目的と手段を履き違える…大切にするものを見誤ると何も手に入らないという悲しいことが起きると思います。

僕は幸せの創造の起点となるのは、働く社員だと考えています。

よく「CSよりES」と言いますよね?
顧客満足よりも従業員満足ということですが、この言葉は誤解を生みます。
どちらがが大切と捉えるのではなく、従業員満足が顧客満足を生み出すというのが正確な解釈だと思います。
満足している人だから他人の満足を生み出せる。

じゃあ、社長は社員の満足を1人で生み出すのかと言えば、そうではないと考えています。
それは無理なことです。

例えば、ある飲食店は閉店時間が夜遅く、社員は家族と過ごす時間を削っていました。
社長はすごく悩みました。
閉店時間を早めるか?…でもそれだと売上に影響する…
家族がいない社員を遅番にするか?…でも、独身者にも恋人がいるし趣味もある…
あちらを立てればこちらが立たずの状態に陥りました。
手を打つたびに必ず不平不満を言う社員が出たのです。

そこで社長は「みんなで考える」という手段に出ました。
社長が1人1人の事情を聞くと、何かあると全部社長のところに来ます。
なので、みんなでみんなの事情を聞き、みんなで調整したわけです。

社長は社員に自立を求めました。
自分都合で考えるとお客様に迷惑をかけ業績に影響する、それが結局自分たちの貧乏につながる、だから全体最適で物事を考えること…自由と好き勝手の分別をつけるということです。

そるとどうなったか?
たくさんの良い事を手にしました。
まずは、自分たちでローテーションを決めるようになり不平不満が出なくなりました。
さらに、「子どもと過ごす時間をつくりたい」「オレ、彼女がいるんだよね」「趣味に命を賭けている」など、社員同士、様々な事情を知ることができたため共感が生まれチームワークがよくなったそうです。
社長は、すごく楽になりました。

何よりも、社員が「自分たちの手で世界一働きやすい職場を創造できる」と気付いたことだと言います。
自由になれる。
これは満足を超えた、働く幸せだと思います。
それがお客様の満足を生み出し、素晴らしい好循環を生み出しています。

社長は「自ら輝ける人の育成」を一番大切にしたのです。

企業には大切なことがたくさんあります。
社員もたくさん持っています。

でも、きっとそれらは1つのものから派生するはずです。

何を大切にするのか?
時々、チェックしてみてはいかがでしょうか?

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

 

 

 

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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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