指示100だった会社を指示ゼロ経営にするにはどうすれば良いのか?

新しく立ち上げた組織よりも、既存の組織を指示ゼロ経営にする方が難しいと思います。
指示ゼロ経営はルールではなく文化、時間がかかるからです。
特に、2代目3代目の後継社長の場合、先代が指示100だったという場合が多いので指示ゼロ化を目指すのは少々、骨が折れます。

集団は段階を踏んで成長していきます。
今日は、僕の経験を踏まえ進化の段階を考えていきたいと思います。

停滞を打破するには、1人で良いから意見を言う社員が必要

最近、設立時から指示ゼロ経営をやっている企業が稀にあり、本当にすごいと思います。
と同時に、最初からそれに賛同した人が集まるので比較的スムーズに事が運ぶと思います。
指示100がずっと文化として定着してきた会社は手こずります。

起業はこれはアイデアを持った「たった1人」から始まったのだから当然のことと思います
また、時代が成長期だった頃は、むしろそちらの方が上手く行くと思います。

ところが時代が変わり、生活者の欲求が高度かつ抽象的になり、さらに変化が激しい時代になると多様な知恵を活かす経営に変える必要性が出ます。
多くの場合、この過渡期で事業承継が行われます。
新社長は文化を変えるという難題に直面するわけです。

最初に直面する課題が、社員が「発言をしない」「やらされ」だと思います。
受動的だということ。
しかし、これはムリもないことで、ずっと「手足」のように使われてきた習慣が身に付いているからです。
手足にいきなり「頭脳になれ」と言っても困惑されますよね?

その状態を打破するのは、たった1人で良いから意見を言う社員をつくるこだと考えています。
その理由は、その人の姿を見て周りの行動が変わるから。
多くの場合「余計なことを言うと怒られる」と、ものを言わない習慣が身体に染み付いています。それを打破するには、目の前で仲間が自由に発言するというカルチャーショックを受けるのが一番の方法だと考えるのです。

後継社長ではなく、自分で指示100にした場合、「もう私1人の力ではこれ以上、会社を成長させることができない」と宣言することも大切だと思います。

また、新入社員を採用する時は、意見を言う社員を入れることだと考えます。
とかく、今いる社員・社風に合った人を採用しがちですが、違う遺伝子を入れないとイノベーションは起きません。
弊社の場合、言うことは言うという不良的な社員が風土を壊してくれました。

採用の際に「みんな喋らないけど、ガンガン喋ってね」「風土を変えたい」と伝えることも大切です。
でないと染まってしまうからね。
そして、その社員の発言に「調和を乱すヤツだ」と陰で言う社員が出ても、社長はその意見を聞き入れない凛とした姿勢も大切だと思います。
聞き入れてしまうと発言をする社員は居場所を失います。
キレイ事では指示ゼロ経営にはなりませんから。

問題が起きた時に「みんなの課題」にして考えていく視点を養う

次の段階は「できるだけ早い段階で2人目をつくること」です。
できるだけ早く。
なぜなら人は文化に染まるので発言する人もやがて無口になってしまうからです。
2人目が登場するためには、リーダーは発言者に対し尊敬と感謝の気持ちを表明する事が大切だと考えています。
「活発な歓迎を歓迎する」という明確な態度表明です。
本当は、こうしたコントロールは指示ゼロ経営の原則からはご法度ですが、文化を変える時に限っては使うべきだと考えています。

次の段階は試練です。
新しい血は既存の社員からすれば脅威になります。
特に官僚的な風土の会社の場合、一時的に社内が混乱することが多いと思います。
僕も経験しましたが、このまま空中分解か?ってところまで行きました。
で、分解…とまではいきませんが、辞めていく社員が出ました。
すると残った社員に仕事のしわ寄せが行き、さらに混乱します。
社長は現場から離れられず、指示ゼロ経営とは程遠い状態になります。

でも、このプロセスは進化の一歩手前だと考えています。
痛い思いをした分、新しい社員の採用に既存の社員が関わるようになるからです。
仲間をしっかりと選ぶようになるということ。
積極的に関わってもらうことで2人、3人、4人と賛同者が増えていきます。

ここまでは決して指示ゼロ経営的には見えませんが、ここからが変態です。
(変態…変な意味で捉えないでね 笑)

自由な発言の次は自由な行動です。
いちいち社長の許可をもらわずに行動できる状態ですが、ここでまた試練が訪れます。
それは社長が怖くなってしまうことです。
指示ゼロ経営は「秩序ある混沌」を基本とします。
明文化されたルールではない、暗黙知で秩序を保ちます。
1人1人が自由に動くから不協和も起きますが、誰の指示命令なしに自律的に調和するんです、不思議なことに。

そのためには問題が起きた時は、それを「みんなの課題」にして考えていく視点が大切だと考えます。
みんなが自由に発言し行動するということは、つまり「社長1人で抱え込まない」ということを意味しますので、課題は集団に投げるのが正解です。

「どうあるべきか?」を自分たちで考える。
この繰り返しで暗黙知が創られていきます。
それが集団の意識の成長を促します。

とまあ、指示100状態から指示ゼロ経営を目指すのは試練の連続ですが、それを予め想定内にすることが大切だと思います。
気持ち的に楽になるよね。

そして「きっと、よくなる」…自社という生命体を信頼することだと思っています。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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