なぜあの会社は社長が出社しなくてもちゃんと仕事が回るのか?

人の集団は、社長をはじめそこに属する人の意識とともに成長していきます。
赤ちゃんが、いきなり成人しないと同じように発達には段階があると。
なので、いきなり「すごい組織」を目指さない方が良いと考えるのです。
最終的に目指しても、まずは次の段階を見ることが大切なんじゃないかな。
ステップを飛ばすと、理想と現実のギャップが不満になり、かえって成長を阻害することになると、経験上考えています。

今日は、発達の段階を知ることで、スムーズな組織開発を目指しましょうという話です。

人材育成は引き算で上手く行く

子育ての金言に「子育て4訓」があります。
1、乳児はしっかり肌を離すな
2、幼児は肌を離せ、手を話すな
3、少年は手を離せ、眼を離すな
4、青年は眼を離せ、心を離すな

これは一見すると「離してはいけないポイント」に見えますが、むしろ健やかな成長のための「離し方」を説いているのだと思います。
「離せ」と言っている理由は、親のエゴで離したくないから。
意識しないと、自分の手元に置いておきたくて離さない傾向にあるんだよね。
そうしないと自己貢献感、自己重要感が保てず辛いからです。
人は「私がいないとダメでしょ?」と思いたい生き物なのだと思います。
意識下では離れてほしくないと思っている…無自覚のうちに束縛してしまうのです。

例えば、今から15年ほど前に、ある青年が新聞配達に応募してきました。
面接の日、僕が目を疑ったのは、母親がついてきて面接に立ち会ったのです、、、
僕が何か質問をすると、間髪入れず母親が応える…
僕が苛ついて「お母さんが新聞配達をするんですか?」と聞いてしまいました。
で、いちいち母親が割り込んでくるので息子がブチ切れて「お母さんは黙っていてよ!」と叫びました。

息子は離れて欲しいと思っている、でも母親は離したくないと思っている。

このことから言えることは、いかに「離せる自分」を創るか?が人材育成と組織開発には重要だということです。

離すことができないのは社長の内面の問題

よく聞く話に、会社が上手くいって社長が講演依頼を受け、外に出ていると社内がおかしくなるというものがあります。
あれは眼を離しちゃいけない段階なのに離してしまったから起きることだと考えます。
で、実は社長も講演が終わると、無性に心配になります。
「会社は大丈夫かな?」と。
眼を離してもOKな段階の会社では社長がいなくても何も問題はありません。
ただ、心は離してはいけませんがね。

最近、自律型組織に関する書籍を読んでいます。
友人が「指示ゼロ経営のことが書かれている」と言うので買ってみました。
本当に内容が濃く勉強になっています。
指示ゼロ経営が見事に説明されています。
僕のブログにちょくちょく登場する岩手県一関市の染物店「京屋」の蜂谷社長からも、「ウチのことが書かれている」というメッセージをいただきました。

ただ、1つ気に入らないことがあります。
それは帯です。

「次の組織モデルはこれだ」
売るためのコピーですが、これを見ると「これが正解か!」と思っちゃうよね。

正解は本の中にあるのではなく自分の内面にあると考えています。
自分がどんな状態になっているか?ってこと。

手とり足とり教えている状態が続いていたとしたら、「手を離したくない」と自分が思っていることを自覚する。
いつも監視して必要以上に細かな報告を求めていたら「眼を離したくない」という自分の願望を知る。
組織ではなく自分を観ることが大切だと思うのです。

「正解が組織モデルにある」と思い込んんでしまうと、そこに気づかない。

起きている現象、カタチではなく目に見えない部分に指示ゼロ経営成功の秘訣がある。
そう考えています。

それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい。

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