*

社長は自分がいなくなった時のことを考え、今の意思決定をしているか?

企業は短期の利益を追求すると長期的には損をするようにできていると言われています。
その典型が、強引な売り込みです。
繁栄の礎である顧客の信頼を失うでしょ?
今良くても、やがて破綻する…
何であんなことをするかと言えば、短期利益獲得のためにムリを強いられるからです。
働く社員だって本当はそんな事はしたくない、でもせざるを得ない。

長期で繁栄するには、ずっと先の事を考え意思決定する視点が大切だと考えています。

緊急じゃないけど重要な仕事に時間を割いているか?

よく仕事のイロハに「仕事の重要性」と「緊急性」で4つのマトリクスをつくり判断するやり方がありますよね?

この枠の中の「緊急だし重要」とは、例えばクレーム対応などです。
最優先しなければならない大事ですが、この仕事が発生する原因は「緊急じゃないけど重要な仕事」をサボった可能性が高いと言えます。
例えば、強引な売り込みも「緊急だし重要な仕事」ですよね?
直近の売上をつくらないと潰れてしまうから嫌でもやるわけです。
でも、これは長期的なシナリオ…「緊急じゃないけど重要な仕事」をしなかったから発生するからです。
地道に顧客創造を行い、顧客の信頼を得るために品質を磨いたり顧客との関係性を創ったりといった一連のシナリオに沿った仕事をしないとこうなる。

「緊急だし重要」にハマると、なかなか抜け出すことができません。
目先の利益を追わざるをえないから長期的な視点に立てず、さらに窮地に追い込まれます。
怖いよね?
少しでも余裕がある時に手を打つことが大切だと思います。

これを見事にやっている友人がいます。
石屋さんなのですが、普段は営業活動はしていません。
その理由がすごい。

墓石の買い替え頻度は、およそ300年〜400年に一度だそうです。
なので、今、商圏にいる人のほとんどは、自分の代では顧客にならない人たちです。
でも、社長は地域活動などに力を入れているのは、次世代のことを考えているからです。
逆に「今、商売ができているのは先先先代の活動の賜物だ」と言っていました。

時間軸のスケールが違いすぎる…僕にはない発想だったので本当に驚きました。

自分の代を超えて意思決定をしている素晴らしい社長

もう1人、長期視点で経営をしている友人がいます。
ハウスメーカーのT社長です。
最近、指示ゼロ経営セミナーによく参加してくれるのですが、ある日、その理由をこう語りました。

「自分には子どもがいない。だから自分の代で商売をたたむという選択肢もある。しかし、もしそのつもりなら、今、新規の顧客はとるべきではないと思っている。家は一生の買い物だから、僕が商売をやめた時にお客様に迷惑をかけてしまうから」

後継者を社員さんの中から出す可能性を考えての受講だったのです。
僕はすごく感動しましたし、そういう思いで受講される方がいるということに身が引き締まりました。

企業が抱える様々なリスクの中でも社長交代のリスクはものすごく大きいと思います。
よく、上場企業の再建のために外部から来た社長が、短期の利益回復のためにリストラをするケースがありますが、多くは一時的に業績が回復するだけで、退任した後にまた業績を下げてしまいます。
長期成長の種を破壊してしまうからだと考えています。

僕は「緊急じゃないけど重要な仕事」の中でも企業の風土づくりはとても大切だと考えています。
なぜならば、風土は人が入れ替わっても変わらないものだからです。
社長が変わっても変わらない。
その風土が「自律的に動く集団」だったらなおさらです。
社長の影響力ではなく、自分たちの相互作用で、自分たちの影響力で動くからね。

風土は継承しているが、商売のカタチと手法は斬新な発想を持っている…そんな人が社長になると次の成長を描くことができると考えています。

T社長は、自身だけでなく社員さんを様々な研修に連れて行っています。
それは、社内の狭い世界に収まるのではなく広い視野を持ってほしいという願いからだと思います。

自分がいなくなった時のことを考えて、今の意思決定をする。
本当に素晴らしいことだと思います。

「企業は短期の利益を追求すると長期的には損をする」

商品開発も売り方も人材育成も風土の醸成も、長期の視点を持ちつつ今に集中することが大切だと思います。

それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい。

 

 

 

 

The following two tabs change content below.
米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

記事を気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • facebook
  • google+
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存
  • LINEで送る
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

ブログの読者になる

ブログの読者になると新着記事の通知を
メールで受け取ることができます。
読者登録はコチラ

ブログの読者になる

ブログの読者になると新着記事の通知をメールで受け取ることができます。

読者登録はコチラ

文字サイズの変更

標準 拡大
  • twitter
  • facebook
  • google
  • feedly
  • livedoor
  • rss
責任は「取るもの」ではない「果たすもの」である

仕事に責任はつきものです。 誰だって無責任な人は嫌いですよね? 「言っ

あなたが情熱を感じてきた事が、あなたの事業の未来を形づくる

「◯◯すべき」という言葉が多い会社は窮屈で自由な発想が生まれません。

現場のことは現場で解決する…主体的な現場を創るための社長の心得

企業でよく「末端」って言葉を使いますよね? 「末端の人たちの仕事」なん

何屋といったカテゴリーに縛られず「自分の表現の場」と考えると道が拓ける

タウンページにある業種のカテゴリーが役に立たない時代になったと実感して

変化に素早く対応できるチームにしたければ役職は決めない方が良い

何かをやろうと思った時に、すぐに実行に移せる会社は強いです。 成果は行