危機感が足りない社員に、健全な危機感を持ってもらうには?

「社員に危機感が足りない」…そんな苛立ちを感じている社長は多いと思います。
自分だけが危機感を感じて頑張っているのに、社員は呑気だ…そんな状態です。
それを、ともすれば「意識が低い」で片付けてしまいがちですが、危機感を持つのはそれなりの理由があるわけで、その理由を持てば社員さんも社長と同じように危機感を持つはずです。

今日は健全な危機感を持つためには何が必要か?危機感が共有されると何が起きるのか?…そんな事を考えたいとい思います。

情報公開なしに社員が危機感を抱くことはない

まず確認したいことは、自ら持った危機感は役に立つが、他人に煽られた危機感は役に立たないという事実です。
役に立たないどころか害になります。
人は他人が提示したご褒美や罰で動くと創造性も自発性も破壊されることが分かっています。
これに関してはこの記事を参考にしてね。

これは40年以上も前に科学的に証明されていることですが、企業ではいまだに「アメとムチの使い分け」で社員をコントロールしていますよね。
今の時代、創造性と自発性は企業にとって最大の財産ですので即刻やめた方がいいと思います。
自ら危機感を持つためには、ちゃんと情報公開をして「自分たちで」判断できるようにしなけばいけません。
危機感を植え付けるという発想をやめることだと思います。

そもそも社長に危機意識が高いのは全情報を知っているからです。
だから社員に危機感を持って欲しかったら、まずは情報公開が必須になります。
つまり決算書の公開です。
そして公開とともに、そこに出ている数字が何を意味するか?を社員が理解することが大切です。「見ても何がなんだか分からない」って人がほとんどですからね。
決算書の見方は社長が教えるのではなく第三者に任せたほうが良いと思います。
特に、これまで危機感を煽っていた場合、社長の言うことに疑いを持っている可能性があるからです。

顧問税理士でも良いですが、もしかしたら「社長の息がかかったヤツ」と思われるかもしれません(笑)

なのでその手の研修に出ることがベストだと思っています。
実際に弊社はその方法をとりました。

健全な危機意識はチームワークを高める

自ら抱いた健全な危機感はチームワークを高めます。
チームワークを高める最も手っ取り早い方法だとさえ思っています。
チームワークは集団が1つの共同体になった時に発揮されますが、そうならない原因は「エゴの衝突」が起きるからなんだよね。
自分と相手とをクッキリと分けている状態です。

それを壊すのが共有された危機感で、キーワードは「擬似的な死」です。
よく「バカは死ななきゃ治らない」って言いますよね?
それって、言い方を変えれば「死ねば治る」ってことです。
人間にとって一番受け入れたくない死を、病などで受け入れざるを得ない状況に追い込まれた人がその状態になると言われています。
死の宣告に対し、最初はそれを拒絶します。
でも逃れることはできない。
苦しみ嘆き、ついにそれを受け入れた時に「個」(エゴ)の壁が崩壊し「今、この瞬間」を生き、世界が輝いて見えるそうです。

かんてんぱぱの伊那食品工業株式会社には「100年カレンダー」が貼り出してあります。
100年先まで載っているカレンダーを見ると、誰もが「オレの命日っていつだろう?」と思い、死について考えます。

擬似的な死とは、例えば「卒業」や「別れ」など、刻一刻と最期の瞬間が訪れるものです。
「受け入れたくないものを受け入れざるを得ない」…そんな状態ね。
卒業の直前って、これまで仲が悪かった人とも、なぜか和解できることがあるでしょ?

「このままでは会社が潰れる」…終焉の危険性を自分で感じた時に「個」を超え全体が共同体になる可能性があるわけです。

と、まあ理屈はどうでもいいのですが、危機感を共有することはとても大切なことだということです。

他人から押し付けられたものではなく自ら理解した危機感を持つ。
そのために情報公開をする。

その上で座して死を待つのではくワクワクする魅力的なビジョンを全員で描くことだと思います。
それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!

 

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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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