協力しない、助け合わない社員は、この2つで協働するようになる

社長は社員に「もっと協力して仕事をして欲しい」と願っている。

でも、現場には社員同士の対立が多かったり、「自分はできたから知〜らない」とチームワークに無関心な社員もいます。
協力すれば何事もなく済んでしまうのに残業が増えたり、要らぬ衝突が起きたり…

「これでは大きな課題をクリアできない」と焦りますよね?

今日は、その状況を打破する2つの視点について書きますね。

1人や派閥では解決できない課題に直面するとチームワークは良くなる

協働が起きない原因を、ともすれば社員の人格や考え方に置いてしまいがちですが、実は、手を打つべきは社員教育ではなく、もっと別の所にあるかもしれません。
その1つに「課題が小さい」ことがあります。

その典型が「挑戦が小さすぎる」ことだと考えています。
1人や派閥の力では成し得ない、大きく共同しなければ実現できない高い挑戦があり、それをみんなが望んでいるなら自然と協働が生まれるはずだと考えます。

例えば、企業の例ではありませんが、2003年に世界の医療、化学分野でそれが起こりました。

2003年の2月に中国でSARS(感染病ね)が世界で初めて出ました。
(※その時はまだSARSという病名はありませんでした。)
中国はWHOに報告をしましたが、そこからの展開がめちゃくちゃ速かった。
世界中の医療関係者がネットワークを組み対策に乗り出しました。
たった1ヶ月間でSARSの正体を、さらに1ヶ月後の4月には感染のメカニズムまで解明してしまったそうです。

その驚異的な速さの要因は2つあると分析しています。
その1つが「危機感」です。
世界中に散らばった研究チームが、それぞれで小じんまりとやっていては到底解決できない大きな課題に直面し、コラボせざるを得なかったってことね。

企業で言えば、社員が自分1人や派閥の力だけで小じんまりとやっても何とかなるような課題では「チームワークが大切だ」なんて単なる精神論に聞こえちゃう。
現実的な問題として捉えるには、大きな課題…挑戦が必要です。

実際に、大きなことに挑戦している企業って、何だかんだ衝突などがありながらチームワークが良いよね?

SARSの場合は積極的でワクワクする目標ではなく、「なんとかせねばならない」という危機感でしたが、それでも大きなネットワークを創るほどに協働できたわけです。

1人1人が何かしらの専門家で、彼らが結合して価値を生み出す集団にする

もう1つの要因が「専門性」です。
医療、化学の分野は非常に多岐にわたる上に1つ1つがものすごく深いといいます。
機関によって得意不得意がハッキリと分かれるってわけ。
その事実を分かっているから、最初から手を組むことに抵抗がないと言います。
手を組むことで課題解決のレベルも上がるし、自分たちだけでは知り得ない知見が手に入る。
「お互い様」ってことね。

しかも、SARSの例では完全な指示ゼロ的な集団ができあがったと言います。
指示ゼロを目指したわけじゃなく、WHOが各研究機関に指示を出せる権限がなかったのが本当のところらしいですが、結果的に誰の指示もなしに難題をクリアしちゃったわけです。

「自分1人では解決できないが手を組めばできる」

企業も、これと同じ構造を創ることだと思います。
企業は「人材の平均化」が好きですよね?
一通りできるが平均的って社員を育てるのが好きですよね。

これは誰かが辞めたら組織が機能しなくなる事を防ぐ、1つのリスクマネジメントだと思いますが、もうそういう時代じゃないと思います。
直面する課題はそんなにヤワじゃないからね。

1人1人が何かしらの専門家で、彼らが結合して価値を生み出す集団が求められる時代だと考えます。

弊社では、それを狙ってやったわけじゃないですが、指示ゼロ経営を進めたら結果的にそうなりました。
僕は、社員のやっている事は知っていますが、そのノウハウも経験も持っていません。
逆に社員も僕のノウハウや経験を持っていません。
僕達が結合したら、相当な課題をクリアしてしまうと感じています。

ただし、条件があると考えています。
「一通り知ってはいるが、そのうちの1つに超詳しい」という構図が必要だと。
営業も製造も開発も、全部を知っているが、その中の開発はプロ中のプロって構図です。
これが必要な理由は、知らないと指示なしで自律的にコラボできないからです。
だからウチでは、入社してしばらくは全部体験してもらい、その後、自分の専門に就いてもらっています。

「大きな挑戦をする」
「何かしらのプロ、でもコラボしないと1人では成し遂げることができない」

それが、真のチームワークを形成する2大要件だと考えます。

それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!

 

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