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人材育成は足し算よりも「引き算」で上手くいく

日本には「引き算の美学」があります。
英語で言うと “Simple” is “best”. ですが、完成度の高いものほど無駄が削ぎ落とされてシンプルになると思います。
俳句は、わずか17文字で世界観を表現するから効果が引き立つのだと思います。

人材育成も同じだと考えています。
あれこれと付け足して気付いたら身動きが取れなくなるくらい重くなってしまうことってありますよね?

今日の記事は、引き算で考えようという話です。

管理を上塗りすればするほどムダな仕事が増えていく

足し算で複雑になる典型は「管理業務」だと思います。
例えば営業日報です。
部下が仕事をサボっていないように、訪問件数や面会率を記入させることがあります。
あれは部下のためではなく上司のためにつけさせているのです。
そうすると次なる問題が起こります。
部下が営業日報を「作文」するようになるのです。
訪問してもいないのに、したことにして作文をする…
僕も作文を見たことがありますが、それはそれは「作家になれるんじゃないか?」ってくらいリアリティに溢れたものでした(笑)
訪問した(ことにしてある)お宅での会話内容なんて見事です。
面会者の主婦の表情までイメージできたもん。

上司も薄々、偽造に気付いているのでさらに管理を強めます。
ある会社では、上司が訪問先のお客様に電話をして確認していましたが、自分がやっている事のおかしさに気付いていません。
管理のためのムダな仕事が増えるいっぽうになる…変な話ですよね?
そのエネルギーと時間を生産的なことに使えば良いのに、と思ってしまいますが、足し算の呪縛にハマると抜け出せないんだよね。

どんなに管理の網をくまなく張っても、抜け道は必ずありますからサボる意志のあるやつはサボるのです。

だったら管理をやめても問題ないと思うのです。
引き算にするってこと。

引いていくと「際立つもの」が観えてきて、それが効果を最高化するのだと考えます。

引き算をして最後に残ったものが役に立つ

どんなに管理・監視を強めても必ず抜け道がある以上、さらなる管理の上塗りはムダというよりも不利益にしかなりません。
時間のロス、エネルギーのロス。
そして、人は管理をされればされるほど「自分は信頼されていない」と感じるので、自発的なモチベーションを破壊するという最悪のロスがあります。

サボろうと思えばいくらでもサボれるんだから、そんなものはやめてしまえ!と僕は思っています。

引いていく。
管理を1個づつやめていく作業をしていくと、際立つもが現れると考えています。
これは僕の経験ですが、社長・上司にとって際立つものは「いかに部下を信頼していないか?」という事実です。
管理をやめるたびに不安になるんです。
「これをやめたら堂々とサボるんじゃないか?」っていう不信頼の気持ちが際立つ。
でも悩んだ結論は、堂々とサボるか、コソコソとサボるかの違いで結果は変わりないということ。
どうせバレるのが怖くてやった仕事で良い結果は創れないから、やめても問題ない、そんなことの繰り返しで管理を引いていったのですが、その時に大きな気付きを得ました。
それは「他者への不信頼は自分に対する不信頼そのもの」ということ。

管理しないとサボるという思いは、自分がそうだから湧き出るんだよね。
いっさいサボった経験がない人は、他者もサボらないものだとと考えるから不安にはなりません。
自分を振り返った時に、調子が悪い時はサボるし、やりたくない事を指示命令でやらされた時もサボった経験があるから、社員だって同じだと心底、思えたのです。
同時に、サボることはあっても基本は真面目だということも理解できた。

不信頼の根っこを知ると信頼できるようになる…そんなことを感じました。

引き算により、部下にとって際立つものは「信頼されている」という感覚と、それに応えねばという自発的な責任意識だと思います。

全員がそうだと言い切れませんが、ほとんどの人はそう感じると思いますし、管理のための管理を拡大する損失に比べればはるかに得だと考えています。

人は信頼には信頼で応える。
不信頼には不信頼で応える。

人材育成は足し算よりも引き算でうまくいく…そう実感しています。

それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい。

誰も縛らない、誰にも縛られないあなたが大好きです!

 

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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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