リーダーが頑張りすぎると社員は「無責任病」にかかる

「オレがこんなに頑張っているのに何で社員は無関心なんだ!」…そんな悩みを持つ社長は結構多いと思います。
とても孤独で辛いですよね。
「それが経営者だ」と言う人もいますが、僕はそうは思いません。
 
その状態から抜け出し、何か問題が起きた時に自分事と捉える社員が育つにはどうすれば良いのでしょうか?

社長が独断で真っ先に動くと社員が育たない

社長の一人相撲状態の原因は、何か問題が起きた時に「真っ先に」自分が動くからです。
この行動パターンは骨の髄まで染み付いていると思います。
それだけ責任意識が高いってことです。
でも、真っ先に動く、しかも独断で動くと周りの社員が無関心になってしまいます。
 
その理由は、人の集団のメカニズムによるものです。
人の集団には3つの役割が自然発生的に生まれます。
「リーダー役」「フォロワー役」「傍観者役」の3つです。
自然発生するものだから、どれが良くてどれが悪いてことはないよ。
ただ、それぞれの質に良し悪しがあります。
 
民主的なリーダーには積極的なフォロワーがつき、傍観者役も静かに見守るという行動をとります。
素晴らしい三役が揃う。
対し、リーダーが独裁的だとフォロワー役も傍観者約も無関心を決め込みます。
後者が一人相撲状態ってわけね。
 
例えば、会議でいつも社長ばかりが喋っているのは後者の状態です。
活性化する会議では、社長よりも社員の方がよく喋ります。
さらに、喋る社員が固定せずに、みんなが発言できるように配慮をします。
「◯◯さんはどう思う?」と振ったりね。
 
ちなみに弊社の社員会は60分を超えることはほとんどありません。
30分ほどで終了しますが、最初の「お疲れさまです。では、始めます」の挨拶から進行、締めまで全て社員がやります。
社長のあいさつもなし。
一言も喋らないこともあります。
 
何のために自分がいるのか分からなくなることもある(笑)
 
社長が仕切る、喋ってばかりいると、周りの社員が「無責任病」にかかってしまうのです。
だから、真っ先に動かない習慣を身に付けることが大切だと考えます。
 
でも、責任感が強いから動いちゃうんだよね…

課題解決力を持った集団を育てることに視点を置く

率先垂範という言葉があります。
リーダーが率先して事に当たることを指しますが、当たるべき「事」が変わってきていると思います。
率先すべきは、直接的な問題解決ではなく「問題解決できる集団づくりの行動」だと考えます。
常に社長が正解を示し続けれられるほど、今、企業が抱えている課題は簡単ではありません。
「課題解決能力の高い集団を創る」…これが社長の率先垂範だと考えます。
 
だから、真っ先に動き正解を示しちゃいけない。
「こんな課題があるけど、みんなはどう思うよ?」と問いを投げかけることです。
この習慣を身につけることは簡単じゃない、でも自律型組織を創るにはとても大切なことです。
例えば、僕は全国の小中学校でキャリア教育として夢新聞ワークショップをやっています。
これまでに全国6520人が体験しています。(2017年7月時点)
ワークショップの目的は夢新聞を書くことではなく協働・共創を学ぶことです。
これからの大変革の時代を生きるために必要な、最もベーシックな力は協働・共創だと考えています。
人類はこれまで幾多の壁をこの方法で乗り越えてきました。
共創する方が知恵も出るし、1人1人の弱みを互いが補正して全体として最適な状態になるからです。
 
具体的には、クラスに対し「制限時間までにクラス全員『1人残らず』夢新聞を完成されて下さい」とミッションを与えます。
無茶ぶりだよね(笑)
そして、やり方は全てお任せし、講師も担任の先生も一切、何も教えないと宣言します。
頼れるのは仲間だけってわけ。
これまで全てのクラスで、自律的な協働・共創が生まれました。
 
 
開催前に必ず担任の先生と打ち合わせをしますが、多くの先生が気にすることがあります。
「誰にも助けてもらえずに孤立する子が出たらどうするのか?」ということです。
そんな事になったら可愛そうとだという愛情からですが、これも「真っ先に動かない」という原則を理解してもらいます。
 
孤立している子がいたら「1人で悩んでいる子がいるけど、みんなどう思うよ?」と投げかけます。
「Aさん、Bさんを助けてあげて」と大人がお膳立てしては自分たちで課題解決する力は育たないからです。
 
この考え方を理解して協力してくれる先生が多いは本当に有り難いことです。
 
リーダーが頑張りすぎると社員は「無責任病」にかかるのです。
 
集団には自律的な課題解決力が備わっています。
だから真っ先に動かない。
課題解決そものではなく、その力を持った集団を育てることに視点を置きましょう!
 
それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい。
 

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