これからは社員とお客様の区別がない企業が増える

これからは「売り手と買い手」という関係がなくなる企業が増えると思います。
社員とお客様が同じ括りになる。
これまでもそういう会社はありました。
例えば、ウチの近所のスナックはお客様が店内の掃除をするんです。
お客様との関係性がよくできた会社に多いんですが、本来社員がやる仕事をお客様がやってくれる、そんな関係です。

ミッションが魅力的だと社外の人が集まってくる

モノを作って売る、仕入れて売るのが商売の基本形だと思いますが、これほどモノが溢れると一通りの欲求が満たされ、お客様はより高度な欲求を持つようになります。
「心の豊かさ」というやつね。
だから「モノではなくコトを売る」という発想が生まれるわけです。
それに伴い企業は「どんなコトを提供するのか?」…ミッションを持つようになります。
ミッションって「お客様が、地域が、国が、世界が◯◯になることを目指す」って表現をしますが、相手の幸せを願うものです。
「年商◯◯億円を目指す!!」なんてミッションは見たことがないもん(笑)
 
例えば、ある補聴器メーカーでは「音が聞こえないすべての人に、聞こえる感動を」というミッションを掲げていますが、部外者の僕でさえ素敵な会社だな、と思いますもん。
だからお客様から支持され繁栄するのですが、お客様の中には支持の仕方がずば抜ける人もいます。
買うという行為で支持するのが普通ですが、ミッションが素晴らしいと、その達成に参画するお客様が出るんです。
 
例えば、僕の会社には僕が知らない人が出入りしています。
「あの方、誰?」と社員に聞くと、時に地元の農家であったり、時に役場職員と本当に多様な人種が集まります。
その方たちが何をしに来ているか?というと、弊社のミッションに参画してくれているんです。
純粋に共感してくれているので損得勘定はありません。
 
弊社のミッションは「私ってイケてるじゃん!という瞬間を」です。
自分が「イケてる」って思う瞬間は色々とありますが、その最上級は「自分だからできることで人に喜ばれた時」だと考えています。
指示ゼロ経営は、働く社員さんにそれを実感してもらうものです。
ある時、それを時間した社員が「地域の人にもその素晴らしさを実感してほしい」と考え、指示ゼロ経営的な地域づくりを始めたんです。
それがものすごくに拡がり、ついに行政とコラボするようになりました。
弊社に出入りする僕の知らない人たちは、その共感者です。
 
社員と社外の人の区別がなくなるってこういうことなのです。

外部の人が出入りすることで集団はクリエイティブになる

共感者、ミッションの実現を望む人がたくさんいた方が実現確率は飛躍的に高まりますが、僕が現場を見ていて、効果はそれだけじゃない事に気づきました。
単に人数の問題だけではなく、色んな人が集まることで「知の多様性」が生まれることです。
 
異なる経験や知識を持った人が集まると集団はすごくクリエイティブになります。
例えば、特許の多くは業界外の人間が生み出しているという話があります。
人って何かを創造する時に、これまでの経験から得た思考の枠組みをベースにしますから、どうしても飛び抜けた発想ができないのです。
だから、業界内の人間、いつもの顔ぶれ、いつもの席順、いつもの服装で集まっても斬新な発想は生まれないでしょ?
内部の人間が多いほど、枠が固定化されちゃうもん。
 
だから弊社では業界内の研修や会社見学は一切しません。
統一の課題図書も設けません。
朝礼もやりません。
なぜなら同じ枠組みの人間を量産してしまうから。
できるだけ知の多様性が確保できるように、血の滲むような努力をしているのです(笑)
同じ花が咲いているお花畑ではなく、多種の花が咲き乱れるお花畑を目指しています。
 
それでも社内はあっという間に「同脳化」してしまいます。
その防止に、社外の人が集まることが功を奏しているのです。
僕はそのミーティングに参加したことがありませんが、社員は「やっぱ自分の頭が固くなってるのに気付くわ」と言いますもん。
 
最近では大学生のインターンシップを受け入れ、さらなる多様性に挑戦しています。
本当に血の滲むような努力でしょ?
 
そこまでする理由は、新聞業界が衰退期に入っているからです。
物事には寿命がありますから、延命措置…改善では限界があるからです。
今ある資源を活用して「まったく違うもの」に生まれ変わる必要があるのです。
イノベーションです。
 
多様性を確保する手段はたくさんあると思いますが、ミッションに共感してくれる外部の人を受け入れる方法はすごく効果的だと考えます。
 
「味方を得ながら多様性も確保できる」
 
ミッションを立て「一緒にやりませんか?」と投げかけてみてはいかがでしょうか?
 
それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!
 
 

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