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2代目3代目の社長が古参社員を味方につける方法

2代目3代目の後継社長の多くが、先代が育てた社員との関係で悩みを抱えていると思います。自分は、これまでのやり方を変えたいと思っている。
でも、古くからいる社員はおいそれと認めてはくれません。
彼らは仕事を知っているからボイコットでもされたら大変、社長は下手に出ざるを得ない。
とてもじれったい思いをします。
 
どうすれば味方になってもらえるのでしょうか?

「過去を肯定した上で未来を創る」…そんな姿勢を持つ

非常に多くの場合、先代社長はトップダウンだったケースが多いようです。
特に創業社長の場合はね。
これには時代的な背景があります。
先代の時代は経済の成長期だったから、とにかく活動量を最大化することが最良の策でした。
そういう時代にはトップダウンは有効なのです。
しかし後継者は、感覚的に「これからの時代はこれじゃダメ」と思うんだよね。
 
僕が商売を継いだ時も同じでした。
新聞を取らない人が増えるだろうと感覚的に感じていました。
それまでは新聞市場は拡大を続けていたから、とにかく1件でも多く訪問することが最良策でした。
また、経済成長期は売り手市場なので、中小企業は万年人手不足になります。
そのせいで、正社員がアルバイトと同じ単純作業をしている、そんな状態でした。
 
僕は、仕事のやり方とともに、組織形体も変えなきゃいけないと思ったのです。
「正社員にはもっと創造的な仕事をして欲しい」と。
 
僕は、考え方に間違いはなかったのですが、その改革の方法で大きな間違いを犯しました。
何を間違えたのか?
それは「このままじゃダメ」という過去を否定するような物言いをしてしまったのです。
つまり先代を否定したのですが、それは古参社員からすれば自分も否定された気持ちになるよね?
 
後継社長は、まずもって古参社員の気持ちを理解することだと思います。
彼らは不安な気持ちを抱えているはずです。
自分のことを必要としないんじゃないか?と。
 
自分を否定する人の味方になるわけがないよね?
「過去を肯定した上で未来を創る」…そんな姿勢が大切なのだと思います。

後継社長の一番最初の仕事は、先人たちに感謝を表明すること

それを見事にやってのけた後継社長がいます。
5月にBMR研修でお邪魔した、愛知県半田市の「株式会社榊原」の榊原卓哉社長です。
だま30代半ばの若い社長です。
 
先日、研修のアフターミーティングでお会いした時に、「古参社員をどう巻き込んだのか?」という話題になり、そのやり方が骨太で熱い、でも同時に愛情に溢れたものだったのです。
彼は何をしたのか?
 
トヨタ自動車の伝統「クラウン」の歴代CMを一緒に見たそうです。
YouTubeで見れるので時間がある時に見て欲しいのですが、すごく懐かしい気持ちになります。
中には、今放送したらクレーム殺到になるだろ?ってのもある(笑)
詳しくは書きませんがね(笑)
きっと、同社の古参社員さんも懐かしい気持ちで見たと思います。
 
クラウンには「いつかはクラウン」という名キャッチコピーがありますよね?
生活者の憧れの象徴、到達点に位置づけたのです。
時代は進み2000年に入り「ゼロクラウン」が発売になった時にそれが変わりました。
CMのナレーションはこう。
「すべての走りをゼロから見直した」「かつてゴールだったクルマがスタートになる」
 
これまでを肯定しながら、新しい時代を創る。
榊原社長は、そんなメッセージを自社に当てはめたのだと思います。
 
古参社員には、たくさんの古き良き時代の思い出があります。
その多くは先代社長とつくったもの。
それは誰にも否定されたくない宝物です。
 
榊原社長は、その気持を分かっていたんだよね。
クラウンのCMを持ってくるあたり、すごく上手だと思いますが、テクニックの前に彼らの宝物を大切にする気持ちがあった。
 
素晴らしいと思いました。
同時に、自分の過去を振り返り恥ずかしい気持ちになりました。
 
輝く未来は、過去に感謝した者だけに訪れる。
現在を信頼した者だけに訪れる。
そして、未来を描いたものだけに訪れる…
そう思います。
 
だから後継社長の一番最初の仕事は、先代と、先代と共に礎を創り上げた社員さんたちに感謝を表明することです。
 
そしてクラウンのCMを一緒に見ることです(笑)
 
それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!
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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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