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向上心があるからこそ無意識に使ってしまう、組織の元気を奪う言葉

向上心のある人は「まだまだです!」と現状に滿足しません。
でも「まだまだ」という言葉は、組織づくりが上手な人は使いません。
この言葉は自分に投げかけるのは良いが、他人に言うと成長意欲を削いでしまうからです。
 
向上心が仇とならないように注意が必要だと考えます。

がんばって成長した人の心を折る「まだまだ」

「まだまだ」が成長意欲を破壊するというのは、親子関係を見ればよく分かります。
子どもの頃を思い出と分かりやすいと思います。
もし、あなたが頑張ってテストでこれまでよりも良い点を取ったとします。
その時にどんな言葉をかけて欲しいでしょうか?
 
以前に諏訪東京理科大学の篠原菊紀先生の講演会で「上手な褒め方」の話を聞きました。
一番良いのは過程を褒めることだと言います。
「がんばって勉強したね」と。
 
良くないのは結果を褒めることだそうです。
結果を褒めると、結果が出やすい挑戦しかしないようになると言います。
また、自分より成績の悪い人を見つけ安心するようになると。
対し、過程を褒めると、さらに高い挑戦をするようになるそうです。
分かる気がしますね。
 
一番ダメなのは「まだまだ」です。
向上心が刺激されるどころか、自分を否定されたと感じヤル気を失ってしまいますよね?
特に、すごくがんばって成長した人は悲しみます。
図に乗っているヤツ、ずば抜けて負けん気が強い人には良いと思いますがね(笑)
 
あ、ちなみに指示ゼロ経営では褒めるは基本的にご法度です。
その理由は、褒められないとヤル気が持続できない人になってしまうから。
また、褒めるという行為は目上の者から下の者に行われる行為だから、褒めれば褒めるほどに上下関係を刷り込んでしまうからです。
やることに応じ自分たちで自律的に組織化する集団には向かないのです。
 
「まだまだ」の次に来る言葉は「ダメ」ですよね?
人材育成と組織づくりに長けている人は、否定ではなく希望が持てる言葉を使っています。
 
それは「いいぞいいぞ!」です。

理論的な評価よりも「思わず口にした」の方が場を活性化する

僕の親友に、ソウル五輪の女子柔道で銀メダルを獲った江崎史子さんという女性がいます。
江崎さんの師匠が「いいぞいいぞ!」の達人だったと言います。
江崎さんは振り返りこう言いました。
何がいいのかまったく分からないが(笑)理屈は通っていないがとにかく元気になった。これまでできなかった技を習得すると必ず言われました。試合中は「いいぞいいぞ、行け行け!」しか言わなかった。
 
具体的に褒めているわけでもない。
「思わず口にした」…そんな感じだと思います。
世界レベルのアスリートを育てるのだから、この言葉は効くのだと思います。
 
リーダーの言葉には「未来を創造する力」が必要です。
現状の評価なんて要らないよね。
そんなものは、上司がせずとも自分たちで客観的に自己評価できる仕組みをつくれば済む話だから。
例えば、売上目標にしてもチームの現状がグラフで張り出されていれば一目瞭然です。
もし芳しくなかったとしても、それをどうするか?は上司が答えを出すものではありません。
答えを出して指示を出すよりも、自分たちで考えた時に自分事として捉え、自発的にもなるし責任も持ちます。
自分たちで考え、判断し、改善することです。
 
社長の仕事は「それができる集団を育てること」だと考えています。
1人1人を見ればデキる社員、デキない社員と様々ですが集団になると賢くなる。
集団が活性化するような場をつくることが大切です。
 
その時に言葉は重要。
理論的な評価よりも「思わず口にした」驚きや応援、感謝の言葉の方が場が活性化します。
 
例えば、岩手県一関市の染物店「京屋」の蜂谷悠介社長の言葉がそうです。
会社見学に行った時に、社員さんが喋ることに対し、普通、社長は解説を付け加えてしまいます。
でも、蜂谷社長は「ほう!」とか「なるほど〜!」といった言葉しか口にしません。
これは、その場にいた人にしか分かりません。
議事録をとって後から読んでも「?」しか出ないと思います。
 
でも、蜂谷社長も自社のチームが完成形だとは考えていません。
「まだまだ」と感じることもあると思います。
 
でも、それは自分と専務の弟さんにしか言いません。
 
向上心は発展の原泉です。
現状に満足したら進化・発展はありません。
 
だからこそ社長の言葉は重要。
自分の言葉は、過去から現在までを否定されたと思われるか?
未来を創るエネルギーが湧き上がる言葉か?
 
意識して選択する必要があると考えます。
 
それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!
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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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