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自己実現などのより高次元の価値観を持つ社員をどう増やすか?

「何のために働くのか?」…動機は人によって様々ですが、より高いモチベーションと創造性を永きに渡って発揮するには、自己実現や、他者貢献の動機を持つことが大切だと思います。

とは言っても、価値観は人それぞれですから社長が強要すべきものではないと思います。
良い悪いはジャッジできない。

とは言っても、多くの社長が自己実現などの動機の素晴らしさを知っているので、社員にもそれを感じて欲しいと願うと思います。

今日は、どうすれば価値観の自然な昇華が起きるか?…そんなことを考えたいと思います。

自己実現欲求を持って欲しいと願うと、そこから遠ざかる

僕は、よく社内の飲み会などでスタッフに「働く動機」を聞きます。
アンケートなんてとらずに口頭で聞くようにしています。
なぜならアンケートは理屈の脳が働き模範解答を出そうとするからです。
ざっくばらんに聞いた方が良い。
で、聞くと本当に人によって様々だということが分かります。

「お金のため」「昔オレを馬鹿にしたヤツをギャフンと言わせたい」「家族のため」「仲間と達成感を味わいたい」「自分の個性を活かして人の役に立ちたい」
聞くたびに、色んな思いや夢を持った個人が集まっているのが企業なんだな〜と気付きます。

これらの動機を大きく2つに分けると「他者との比較で得られる満足」と「自分軸の満足」とに分かれます。
どちらも大きなエネルギーを発揮するのですが、決定的に違う部分があります。
それは「創造性の発揮」と「人を巻き込む力」です。
自分軸の価値観を持っている人の方が、これらを発揮します。

例えば、創造性で言えばパズルを活用した実験でそれが証明されています。
「完成させたら報酬を上げる」とエサで釣ると成績が悪くなることが分かっています。
純粋に楽しんだ方が良い仕事をするのです。

また「巻き込み力」は共感がベースになるので、自分の思い、軸を持った人に引き寄せられていきます。

しかも、そういう働き方はとても幸福感を得ることができますので、仕事そのものから仕事のモチベーションを得る「自動巻きの」ヤル気を得ることができます。
良いこと尽くめだよね。

ところがこうした動機に到達している人は案外少ないのも事実です。
さらに、到達した人にしか理解できない世界なので、いくら口で説明しても「?」って顔をされます。

では、どうすればこの領域に入ってもらえるのか?という話です。
僕は、「入ってもらいたい」という望みを持たないことだと考えています。

価値観の変容は仲間の姿を見て始まる

人は自分を否定されると、なんとしても己を正当化しようとがんばります。
「もっと上の動機を持とう」という言葉は「お前の価値観はレベルが低い」と言っているのと同じです。
受け入れてもらえないよね?
そもそも価値観に上や下をつくるのが変だと思います。

だからその領域に入って欲しいと望むこと自体がそれを阻害する…なんともややこしい話なのです。

それよりも仲間の動機を互いに知ることだと考えています。
自己実現や他者貢献の動機を持つ人は、とにかく仕事を愉しんでいます。
楽しさよりも、もっと心から湧き上がる「愉しさ」です。

仲間の姿がなによりも影響力を持ちます。
自己実現の話なんか座学で学んでも理屈が分かるだけ。
それよりもお手本を近くで見たほうが良いと思います。

そもそも、仲間から刺激を受けるというのは、自分の中にその欲求が眠っている証拠です。
すべての人には、それを求める成長意欲が備わっているのだと思います。
そして、それに気付いた社員の数が1人2人と増えていき、ある臨界点を超えると一気に社風に昇華します。

例えば、弊社のスタッフの半数は新聞配達員です。
新聞配達に応募する動機は3つしかありません。
1、稼ぐ必要に迫られたから
2、健康のため
3、人とのコミュニケーションが苦手だから

基本的に自己実現の欲求を満たしたいという期待を持って入社はしません。
そして作業はいたって地味です。
しかし、新聞配達という地道な仕事でも、おもてなしを発揮することができるのです。
中には天気を予測しながらポストへの入れ方を変える人がいます。
これがすごくて「雨が振りそうな時はしっかり奥まで入れるが、完全に入れてしまうと配り忘れたと思われるから、ちょこっとだけ出す」といった芸当です。

作業自体がシンプルゆえに、工夫が引き立つんだよね。
弊社ではこうした活躍を社内報でみんなに紹介しています。

米沢自身

社内報の役割はこれしかないとさえ思っています。
業務通達なんて誰も進んで読みやしないよ。

続けるうちに、独自のおもてなしを実践する配達員が徐々に増えていきました。
その動機は、取りも直さず「すでにやっている仲間の輝きに刺激された」に他なりません。

やっていない人に目を向けるのではなく、やっているの姿をみんなに紹介する。
これが価値観の変容を促進する一番の方法だと考えます。

それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい。

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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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