新入社員は上司・社長ではなく先輩がペアで教えることでよく育つ

別れと出会いが交錯する季節です。
4月から新入社員が入ってくるという会社も多いと思います。
彼らには一刻も早く業務を覚えて欲しいと願うところですが、それを効果的に行うには「ペア・ラーニング」が有効だと考えています。
先輩と新人がペアになり教える形態ね。
 
特に小さな会社はちゃんとした教育プログラムなんてないと思います。
形式化されていない、でも先輩の頭の中にある、それが現実。
だから実地を通じて学習することで新人も育つし、先輩も学びになると考えています。
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理屈よりも「まずやる」行入で学習効果が高まる

指示ゼロ経営でよく受ける誤解に「教えない」という事があります。
そう、基本教えません。
課題に直面した時に、自分たちで答えを出せる組織を目指すから。
でも、基本的なことは教えますよ。
例えば、「パソコンの電源の入れ方を教えてください」って聞かれて「教えな〜い」って意地悪はしません(笑)
「いいか、ボタンというのは、形は◯のものあれば□のものもある。見当たらないか?」なんてこともしない。
「ここを押すんだよ」って教えますよね。
同時に「電源切る時は押すなよ」とも(笑)
 
でも、それは上司、社長はやりません。
先輩がやる、それがペア・ラーニングです。
 
業務をやりながら覚える手法を「行入」と言います。
とりあえずやって、やりながら覚える手法で、学習効果が高いのです。
例えば、自転車の習得で考えると、いくら乗り方の教科書(そんなものないと思うけど…)を読んでも実際に乗ってみないと乗れるようにはなりませんよね?
乗りながら先輩にアドバイスをもらった方が習得は早いのです。
 
専門知識が要る場合は理屈から入る必要がありますが、そうでなければ行入するのが一番です。テキストでは対応できない、あらゆる質問にその場で答えられるからね。
 
ちなみに、バイオリンの鈴木メソードでは楽譜は使いません。
息子が通っていて、すごく勉強になりましたが、曲を覚えるまで聴き込んで、それでいきなり演奏するやり方なのです。
まさに行入ですね。
 
さて、ペア・ラーニングで学習するメリットは新人だけに留まりません。
教えた先輩も勉強になるし、後輩を育てる責任意識が生まれます。
上司、社長が新人の教育に張り付くと先輩たちは「新人の育成は上司の仕事」と認識し、他人事になってしまいます。
 
次にペア・ラーニングの注意点に触れたいと思います。

「どうやって」よりも先に「なぜ」を教える

新人さんに教えるのは基本業務です。
基本業務は毎日、当たり前のようにやっているので「何のためにやるか?」を忘れてしまいがちです。
そして、それを忘れると仕事の効果が落ちてしまうのです。
例えば、僕の親友で夢新聞の認定講師の上村晃一郎さんは「なぜ」を徹底して確認しています。
彼の商売は化粧品店で、お客様のカルテを整備するという基本業務があります。
毎日やっていると惰性になり、カルテを作る目的がぼやけてしまうそうです。
 
最初に再確認をやった時に驚いたのはスタッフによって目的が違っていたことだそうです。
目的は「個々のお客様にあった提案をするため」そして「人間関係を創るために、趣味などの情報を記録するため」です。
 
それが分かっていないと「カルテをつくるとどんな良いことがあるか?」が見えず、意欲が下がり惰性でつくることになります。
人は意義の分からないことに自発的にはなりませんから、ここは非常に重要なポイントだと考えます。
 
ペア・ラーニングでも先輩が「何をやるか?」「どうやってやるか?」の前に、「何のためにやるか?」を教えることが必須です。
 
「なぜ」をちゃんと伝えて教育した場合、やり方をマスターしたその先に、自分に合ったオリジナルのやり方を開発できるようになります。
そういう人が出たら、みんなで学び合うことで全体のレベルが上がります。
 
逆に、それを怠ると毎日、考えもせず手足を動かすだけになるので、いつまで経っても改善がされない。
 
で、1年経って先輩になった時に後輩を指導できない、情けない先輩になってしまいます。
 
ペア・ラーニングで先輩が新人さんに教えるようにしよう。
先輩にはやり方の前に「何のために」を教えてもらいましょう。
 
これがやがて自律的に動く組織に繋がっていきますから!
 
それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!