企業の人材育成は「教育」から「学び合い」に変わる

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社員教育は、リーダーが一方的に教えるスタイルから、社員同士が「学び合う」スタイルに変わっていくと考えています。

学び合うというのは、時に教える側になり、時に教わる側になるということです。
立場は課題によって変わります。

その方が学習効果が高まります。
教えた人は理解がさらに深まります。
「本当に分かった」というのは人に教えられるようになることですからね。
教えられる社員も、仲間には自分への指導義務がないことを知っているので、より積極的に教わる姿勢になります。

そして何よりもチームワークが向上し、成果を出せる組織に成長します。

多くの課題は、社員が今持っている知恵を結集すれば解決できる

僕は今、社員に一方的に教えることは一切していません。
その理由は、社員が読書や研修、これまでの職歴で得た知識や、プライベートな買い物での気付きから、たいがいの課題はチーム内の誰かが解説策を知っているからです。

学び合いは特に時間を割いて行ってはいません。
「オン・ザ・ジョブ」で実践的に行われます。
しかも勝手に。

なぜ勝手に行われるのか?を説明しますね。

組織には達成すべきミッションが期限付きで設定されています。
その達成のためにはチームワークが大切になりますよね?
しかし、通常のトップダウン方式だとリーダーが指揮を取りますが、それだと主従関係ができ「従」は「主」に依存します。
依存関係になると最終責任だけではなく「どのようににやるか?」…プロセスも1人で責任を負うことになります。

いちいち指示命令しないと動かないし当事者意識に欠ける、そんな状態になってしまいます。

負う責任はリーダーにあっても「果たす責任」はメンバー全員にあるはずで、それはみんなが力を合わせることで実現します。
依存を断ち切るには、リーダーの役割を、指導・指揮から「学び合いの環境づくり」に変えることです。
「主」にならないということ。

今まで依存できたはずのリーダーが指揮を取らなくなると、(僕の経験では)100%誰かが口火を切り解決への話し合いを始めます。
なんせ、期限までに達成しないといけないミッションがあるからです。

よほど高度かつ新しい知識がないと解決できない課題は別ですが、多くの課題は「今持っている知恵」を結集すれば解決できるものです。

もちろんそれはリーダーの責任放棄とは違います。
リーダーの最終責任はチームのミッションの達成ですからね。
達成のための手段、運営を変えるということです。

その協働を通じ、1人1人が「チームとして課題を解決する方法」を学んでいきます。(←ここ重要ね!)

学び合いでは、みんなが分かり出来る様になる

「チームとして」というのが重要で、誰か1人が引っ張るのではなく全員が出来るようになる事を目指します。
その方が組織としての総力が上がるからです。

よく組織は「2:6:2」と言います。
デキる社員が2割、普通が6割、デキない社員が2割という構成比率になるという経験則です。
デキる人だけを集めても、やっぱりその中からデキない社員が2割生まれます。
逆に、デキない社員を集めると出来る社員が2割出る。

不思議な法則ですよね〜

これまでは下の2割に「上を目指せ」と指導してきました。
ところが法則には勝てず、上に行った社員と引き換えに誰かが下にまわります。
その繰り返しで確実に底上げはされるのですが、チームワークで総力を上げる学び合いには敵いません。

学び合いでは、「みんなが出来る様になる事が最善」「みんながミッションを達成する」を鉄則としますので、デキる人はデキない人に教えるようになります。
デキない人は、デキる人に教わるという行動が最善だという事を知ります。

「教えて損はない」
「教わることに引け目を感じない」

互いに成長する仕組みです。

さらに課題が変われば、今まで教わっていた社員が教える側にまわることもあります。

「人の役に立てることが嬉しい」…そんな人間の根本欲求がチームづくりに活かされる素敵な在り方だと考えています。

学び合いの効果は4つです。
1、チームの課題解決能力が高まる。
2、課題解決のスピードが上がる。
3、チームワークが良くなり、みんなで目的を達成しようという意識が生まれる。
4、社員の自尊心が高まる。

教育から学び合いに環境を変える、企業は今そんな時期に来ていると考えています。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

誰も縛らない、誰にも縛られないあなたが大好きです!