パズルが得意な人材より、レゴが得意な人材を採用する

おはようございます。

僕が大学時代に経営学を習ったのは今から23年ほど前になります。
学問なので机上の空論ではあるのですが、エイベックスや花王などに訪問して儲けのコツを学べたのは大きな財産になっています。

でも、当時の経営法は今では通用しないと感じています。
特に「戦略」という100年間もの間、企業の常識とされていたことが。
今日は、先が読めない成熟社会において、戦略は通用しないという記事です。

以前は、何が正解かがハッキリしていた

僕のブログで何度も述べているのですが、日本経済が成長期にあった頃は生活者の「望み」がシンプルでした。
みんながテレビや冷蔵庫、エアコン、洗濯機、自家用車に憧れていた。
企業は、モノを欲しがっている市場に「たくさん「効率よく」「安く」「均質に」モノを供給することが命題でした。
だからモノがよく売れた。

それらを手にした生活者は、より高性能の商品を求め、スペックがいいものが次々と開発されました。

その時代に求められる人材は、論理的な思考に長けていて、素早く情報を処理できる人材でした。
それは例えるなら、ジグソーパズルを完成させる能力です。
どういう事かというと、完成したらこうなるという正解があって、そこに向けて効率よく組み立てる能力です。

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流通の能率性を追求したサプライチェーンマネジメントなんかその典型です。
これは教育にも影響を与え、より効率よくたった1つの解を出せる人が優秀と言われました。

今は、レゴを作る能力が求められる

それが成熟期に突入して、生活者の求めるものは高度で抽象的、多様化しています。
しかも寿命がすごく短い。
オーディオの世界で言えば、バブル期には「こんな機能使うか?」ってくらいにいっぱいツマミがついていた、つまり性能、機能が重視されました。
それが今では、何が売りなのか、よくわらないが魅力的なものが売れています。
スペックというロジックではない、違う魅力…感性で選ばれています。

生活者が求めれるものが定かではない時代のマネジメントは、成長期の「パズル」に対し、ブロックの「レゴ」を作るプロセスに似ています。
つまり、「解」が用意されていない。
同じクルマでも、人によって描く完成形が違います。
そして、どれがヒットするかやってみないと分からない。
経営者だって何が上手くいくか分からないのです。

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そういう時代は、とにかくやってみた上で、上手くいくものをピックアップすることが現実的に成功確率を上げます。
ミツバチが一斉に四方八方に飛び散り、蜜を発見したら八の字ダンスを踊り仲間に知らせる性質に似ています。

具体的に描いた餅を、食える餅に変えるという意味で、従来の戦略発想とは違います。
「解」が分かっているときは、このプロセスは有効でしたが、分からない時代には戦略は役に立ちません。

漠然とした自社のあるべき姿があり、そこに向けて走りながら修正することが求めれます。
特に中小企業は。

計画通りにいかないので、綿密な計画を立てること自体が無駄に終わることが多く、臨機応変性が求められます。
大雑把な計画の方が動きやすいのです。

組織もそれに対応するために、一極集中の管理体制から、小規模に分散された自律型組織が求められる。

これまでの常識が通用しなくなるほどに、ダイナミックな変化が起きていると、僕は認識しています。

企業運営の基本OSが変わったと言っても過言ではないと思います。

そして、それが「個の尊重」といった、人が幸せに生きることにつながっていくのだと。

そう考えると、ビジネスチャンスと個の幸せが両立できる、素晴らしい社会になる可能性を秘めた良い時代だと思います。

自社のOSを見直す時期に差し掛かっていると思います。

それでは今日も素敵な1日を!